シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
155 朝のミーティング
「じゃあお先に…」
「ああ…」
わたしは浜松町駅前でタクシーを降り、電車で会社のある新橋駅に向かう。
タクシーを降りると、まだ朝だというのに真夏のむせ返るような暑さが襲ってくる…
そして満員電車に乗り、二駅先の新橋駅で下車し…
まずは秘書課の部屋へと出勤する。
「おはようございます」
わたしは秘書課課長の田中早苗に朝の挨拶をする。
「あら松下さんおはよう…
どう、昨日の初日は…」
するとすかさず田中秘書課課長が訊いてきた。
「はい、初日なんでさすがに緊張しましたし、疲れました」
「ま、そうよね、初日だもんねぇ、仕方ないわよ」
等々、当たり障りのない会話を交わし、秘書課全体のミーティングを始める…
まずは朝イチにここで各役員等の予定の確認と共有をするのだ。
「あ、そう松下さん」
「はい…」
「え…と、あの『新規プロジェクト』の本社絡みの準備室室長の、あの…」
「あ、はい、佐々木ゆかり準備室室長ですかね」
わたしは一瞬ドキっとしながら答える。
「あ、うん、そう、佐々木室長だわ…
さっき朝イチてさぁ、秘書課に大原常務の予定問い合わせしてきたから…
松下さんに折り返しさせるって伝えといたからよろしくお願いしますね」
「あ、は、はい…
でも、随分と朝早いですね…」
「あ、うん、たまたまわたしが出勤したら電話来たのよ…
なんか急な面談がどうの…とか話していたわ」
「わかりました、対応します」
わたしは少しドキドキしてきていた…
昨夜、彼女の電話を切ったから、さっそく動いて来たのか?…と。
そしてザワザワと騒めいてもきていた。
確か、午前中の彼、大原常務のスケジュールは空いてはいる…
どうしたものか?…
そしてどんな用件なのか?…
それよりも、わたしはふと、疑問が浮かんできた…
なぜ彼の携帯電話に朝イチで直接電話しないのだろうか?…と。
あ、そうか…
あのままなんだ…
昨夜、わたしが電源を切ってしまったから…
まだ、電源が切れたままなんだ。
だから、ここに、秘書課に掛けてきたんだ…
「じゃあお先に…」
「ああ…」
わたしは浜松町駅前でタクシーを降り、電車で会社のある新橋駅に向かう。
タクシーを降りると、まだ朝だというのに真夏のむせ返るような暑さが襲ってくる…
そして満員電車に乗り、二駅先の新橋駅で下車し…
まずは秘書課の部屋へと出勤する。
「おはようございます」
わたしは秘書課課長の田中早苗に朝の挨拶をする。
「あら松下さんおはよう…
どう、昨日の初日は…」
するとすかさず田中秘書課課長が訊いてきた。
「はい、初日なんでさすがに緊張しましたし、疲れました」
「ま、そうよね、初日だもんねぇ、仕方ないわよ」
等々、当たり障りのない会話を交わし、秘書課全体のミーティングを始める…
まずは朝イチにここで各役員等の予定の確認と共有をするのだ。
「あ、そう松下さん」
「はい…」
「え…と、あの『新規プロジェクト』の本社絡みの準備室室長の、あの…」
「あ、はい、佐々木ゆかり準備室室長ですかね」
わたしは一瞬ドキっとしながら答える。
「あ、うん、そう、佐々木室長だわ…
さっき朝イチてさぁ、秘書課に大原常務の予定問い合わせしてきたから…
松下さんに折り返しさせるって伝えといたからよろしくお願いしますね」
「あ、は、はい…
でも、随分と朝早いですね…」
「あ、うん、たまたまわたしが出勤したら電話来たのよ…
なんか急な面談がどうの…とか話していたわ」
「わかりました、対応します」
わたしは少しドキドキしてきていた…
昨夜、彼女の電話を切ったから、さっそく動いて来たのか?…と。
そしてザワザワと騒めいてもきていた。
確か、午前中の彼、大原常務のスケジュールは空いてはいる…
どうしたものか?…
そしてどんな用件なのか?…
それよりも、わたしはふと、疑問が浮かんできた…
なぜ彼の携帯電話に朝イチで直接電話しないのだろうか?…と。
あ、そうか…
あのままなんだ…
昨夜、わたしが電源を切ってしまったから…
まだ、電源が切れたままなんだ。
だから、ここに、秘書課に掛けてきたんだ…