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シャイニーストッキング

第13章 もつれるストッキング2     佐々木ゆかり

 15 ロッキー…(1)

 ロッキー…

 なんで今更…

 わたしは…
 
 ゆっくりと降りていく東京タワーのテレビ局のエレベーターの階数の表示されている押しボタンを眺めながら…
 
 ふと…

 あの頃の、つまりは『黒歴史』の原点の存在といえる男…

 そしてわたしに最初の快感を、いや、遊びと禁断の大人の世界を教えてくれた男…

『ロッキー』こと『轟勇斗』
 とどろきはやと…
 の事を思い出していく。


 わたしは今、30歳だから、あの頃、それはちょうど約10年前…
 間もなく大学3年生に進級する1月の冬であった。

 当時のわたしは、大学入学と同時に、いわゆる典型的な『大学デビュー』を果たし…
 大学で、いや、ちょうどテレビの深夜番組等でも紹介された世間でも有名な大学の『ナンパサークル』に入ったのだ。

 そしてそこで男関係もある程度経験をし、新宿でディスコデビューをし…
 そこから当時の流れの主流である、新宿から渋谷、横浜界隈のディスコへと流れた時期であった。

 まずは新宿のディスコで、自分が男達の注目を浴びる存在だと自覚をし、周りからチヤホヤとモテ崇められ…
 まずはその新宿界隈で、男と酒を覚えたのだ。

 そして周りの男達からは『姫』とおだて、崇められ、調子にのって次は渋谷、横浜界隈へとデビューをする…
 それは当時の大学生のディスコ遊びでは主流な、いや、自然な流れともいえた。

 最初は横浜を中心に闊歩していたのだが、その当時の横浜の夜の界隈は、どちらかといえば大人の街に感じられ…
 まだ20歳になるかならないかの大学生のまだ子供のわたしには、渋谷の雰囲気の方が合っていたのだ。

 そしてわたしは渋谷の中心的な
『クラブCANDY』というディスコに通い始める…

 その『クラブCANDY』は夜の渋谷の中心であったが故に、わたしの様な学生から大人の…
 いや、女子高校生から女子大学生をターゲットにした大人の男連中が沢山集まってもいたのである。
 
 そしてわたしはそこでも、瞬く間に人気を集め…
 周りから『姫』『ゆかり姫』とおだてられ、崇められ、また再び、調子に乗ってしまう。

 だが、その頃のわたしは、そんな感じで周りからおだてられ、崇められていたのにも関わらず…

 あるひとつの悩みが湧いてきてしまっていたのであった。

 それは…
 



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