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シャイニーストッキング

第13章 もつれるストッキング2     佐々木ゆかり

 102 敦子の想い(39)

 わたしは…
 まゆみサマという存在感が心から徐々に薄らいでいくに従ってある想いが、いや、ずうっと心の奥深くに隠していた想いの存在、いや、存在感が顔を出してきたのだ。

 それは…
 このわたしの同性愛、ビアンのきっかけの憧憬の想いである…
 ゆかりお姫さまへの憧れ、羨望、そしてかなわぬ恋慕の想いであった。

 そう…
 わたしはあのゆかりお姫さまの… 
 凛とした理知的で、キラキラと輝く美しさが、いや、その女王サマ然とした立ち居振る舞いが…
 そして下僕をはべらすかの様に、周りの男達を魅き込み、惹かれさせる魅力のあるお姫さま然とした魅惑的な美しさに憧れ、惚れ、恋をしているのである。

 そしてその想いはわたしのこの同性愛、ビアンの原点であり、きっかけであり、そしてその想いがまゆみサマに見抜かれ、愛されるきっかけに通じたのであった。

 そう、わたしは凛として、理知的な美しい女性が…
 つまりはゆかりお姫さまを心の底から求め、切望し、羨望していたのである。

 そしてその想いは、まゆみサマと関係が深まるにつれ心の奥深く、奥底の隅へとしまい込み、隠し続けていたのであったのだが…

 時間の経過と共にまゆみサマという存在感が薄れ、希薄になるにつれ、反比例の如くに想いが強くなり、顕になってきたのであった。

 初めはそんな想いの自覚は分からなかったから、わたしを気に入り求めてくる何人かのビアンに身を許し、抱かれてみたのだが…
 抱かれれば抱かれる程に、そしてまゆみサマ以外の女性に抱かれるという未知のビアンの快感の昂ぶりを感じれば感じる程に…
 心の中にはそんな矛盾の違和感が強くなってきたのであったのだ。

 その矛盾の違和感とは…





 

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