テキストサイズ

シャイニーストッキング

第13章 もつれるストッキング2     佐々木ゆかり

 107 昂ぶる疼き(1)

 ………………ぁ、ぁぁ…………ぁ……

 わたしは喉の渇きと、優しい肩に触れられている柔らかな感触と、温かかさに意識を、いや、目覚めた。

 あ、わたしは…

 そしてゆっくりとその肩の方に視線を向けると…

 あ、敦子…さん…

 伊藤敦子さんの姿を確認し、そしてさっきまでの熱く、淫らで淫靡な、予想外の、いや、心の何処かで期待していたであろうビアンの痴態と感情の記憶が…
 そして、アソコの奥深くからの昂ぶる疼きが蘇ってきたのだ。

 その激しい昂ぶる疼きの余韻に一気に意識が覚醒をし、わたしははっきりと目を開け、そして彼女を、伊藤敦子さんの美しい顔を見ると…

「…な、なんで、泣いているの?」
 彼女は涙を溢れさせ、そしてその涙が頬を伝い落ちているのを目にするや、わたしは無意識にそう声を掛けてしまったのだ。

「え?…」
 そんな不意のわたしの声掛けに、敦子さんは驚いた様に小さな声を漏らし、そしてわたしを見る。

 ドキン…
 わたしはそんな彼女の涙を溢れさせている美しい泣き顔に、胸を、心を、高鳴等せ、昂ぶらせてしまう。

 なんてキレイなの?…

 その美しい泣き顔に、なんで泣いているのか?…という疑問を一瞬忘れてしまった、いや、そして一気に意識が覚醒した。

「え、あ、ゆ、ゆかり、ひ、め、あ、さん」
 そんな美しい泣き顔から戸惑いの表情変わり、そう言葉を漏らす。

 ゆかり、ひ、め…

 ゆかり姫…
 
 その言葉はわたしの過去の名称…
 
 そう、彼女もわたしの過去を、あの『黒歴史』のわたしの事を知っているのだ。

『憧れていたんです、ゆかり姫に…』

『わたしもクラブCANDYに通っていたんです…』

 さっきの敦子さんのその言葉で、全てが理解できる。

 そしてあの熱い目に…

 わたしは一気に魅せられて、惹かれ、心を蕩かせてしまったのだ…


「な、なんで泣いているの?…」

 わたしはもう一度問うた…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ