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シャイニーストッキング

第13章 もつれるストッキング2     佐々木ゆかり

 114 昂ぶる疼き(8)

 敦子によるホンモノのビアンの愛撫による快感がわたしの中の隠れていたビアンという思考、嗜好を…
 再び刺激してきていた。

 この前の美冴さんとの逢瀬の時の疼きとは違う…

 そうなのだ、あの不惑の流れからの美冴さんとの禁断の逢瀬の時の疼きは、最終的には彼の、大原常務の、いや、男根という固く、熱く、脈打つ怒張の存在と刺激が欲しいという欲望、切望が湧いてきたのだ、だが、今夜の疼きは全く違うのだ…
 敦子に愛されている時の脳裏には、いや、思考には、その怒張の刺激という存在感が全く浮かばない、なかったのである。

 やはりホンモノのビアンの快感は全く違うのか…
 よく女同士のビアンの快感には終わりが無いというのを聞くが、正にその通りで、またあの優しく、柔らかな愛撫が欲しいのだ、いや、そんな想いの疼きの昂ぶりみたいなのだ。

「はぁ、ふぅぅ…」
 わたしは便座に座りながらそんなことを考えてしまっていた。

 そして後始末をし、トイレから出ると…

「あっ」
 洗面台に敦子が立っていた。

「あ…ご、ごめん、起こしちゃった?」
 わたしはドキンとしながらそう呟く…
 そしてなんとなく、いや、堪らなく恥ずかしい思いに襲われてまう。

「え、あ、いえ…
 わ、わたしも、その、オシッコ…」
 なんとなくだが、敦子も恥ずかしそうに下を向き、そう小さく呟いてきた。

 あぁ…
 わたしはそんな敦子の様子を見た瞬間に、疼きだけではなく、心も一気に昂ぶってしまい、そして…

「あ、ん…」
 無意識に、敦子に抱き付いてしまったのである。

「あん、ひ、姫ぇ…」
 だが、そう呟いた敦子はわたしの抱擁には拒否の反応は無い。

「あ…ん…」
 むしろ、熱い妖艶な濡れた目と、艶やかな唇を向けてきた。

 そしてわたしはそんな彼女の目と唇に吸い寄せられるかのように…

 抱き締め、キスをしてしまう。

「あ、あぁ、あ、敦子ぉ…」

「は、はぁん、ゆ、ゆかり姫ぇ…」

 わたし達は洗面台の鏡の前で抱き合い、唇を貪り合っていく…

 ピチャ、ピチャ、ピチャ…

 二人の唇を貪り合う、淫らで湿った、いやらしい音が響いてくる。

 そして更に激しく、疼きが昂ぶってきていた…





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