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シャイニーストッキング

第13章 もつれるストッキング2     佐々木ゆかり

 117 昂ぶる疼き(11)

 そうなんだわ、これからわたしは敦子と一緒にルームシェアして住むんだった…

 ドキドキドキドキ…

 その現実に急に気持ちと心とカラダが、疼き昂ぶってきていた。

「う、うん、そ、そうよね、もう少し寝ないとね、明日が辛くなっちゃうもんね」
 わたしは慌て、そんな繕う様な感じに呟く。

「は、はい…」
 すると敦子はそう返事をしてくる。

「それに、うん、そうよね」
 そして敦子の言葉にリアルな現実を感じさせられ…
 その明日からの重さを急に考え始めてきてしまっていた。

 リアルな現実…

 敦子とのルームシェアの始まり…

 そして今夜のビアンの快感とエクスタシーの昂ぶりと、彼女とのこの熱く、激しく、蕩けてしまう、いや、溶ろけ、融ろけてしまった心とカラダの…

 この現実感…

 そして…
『わ、わたし達は…
 ほ、ほらぁ、そ、そのぉ…は、始まったばかりだし…』
 そんな敦子の言葉の意味と重さ…

『始まったばかりだし…』
 わたしはその彼女の言葉を否定できない、いや、できなかった…
 ううん、一瞬だけど明日からの夜を期待してしまった想いが起きた。

 さっきは自分だけが激しく感じてしまい、今度は敦子を感じさせたい、ううん、愛したいと想い…
 そしてやんわりと明日もあるから…と言われ、心とカラダの疼きが昂ぶってしまった。

 それは、明日からの期待…
 そして敦子とのこれからのビアンな関係の甘美な期待と、始まりの肯定。

 明日から、ううん、今夜からルームシェアが始まる、いや、始まった…

 そしてそれはつまりは…

 わたしと敦子とのビアンなステディな関係の始まりであり、肯定であるという意味に通ずる事実、いや、リアルな現実の認めになる。

 あぁ、否定するなら…

 今よ、いま、このタイミング…

「あ、ゆかりさん、わたしもトイレに…」

「あ…う、うん…」

 だけどわたしはとても否定できない…

 いや…

 否定したくなかったのだ。

 なぜならば…

 明日からのあの蕩け、溶ろけ、融ろけてしまうような激しく、熱く、そしてそれでいて淫靡で甘美な快感と絶頂感とエクスタシーの期待に…

 今だに、心とカラダが激しく昂ぶり、疼いていたから…




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