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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

30 まだ…

 私はすっかりとそのストッキングの魅惑、魅力に昂ぶりを疼かせてしまい、その爪先を見つめ、そして無意識に両手で拝むかの様に包み込み、そしてそっと掴んだ…

「あ……い、いや、だ、ダメ、まだダメよ…」
 すると律子が喘ぐ様にそう呟いてきた。

「え、あ、うん、ぁ、まだ?」
 私は彼女のその『まだダメよ…』という言葉に引っかかる。

「うん、まだダメ…帰ってから…ね…」
 すると律子はゆっくりとその爪先を引き戻しながら…
「まずは準備しなくちゃ…ね」
 と、囁いてきた。

「あ、あぁ、そうだな」
 そして私は自らの手を離す。

 あ、律子の目が潤んでいる?…
 私の昂ぶりもそうなのだが、律子も、いや、やはり律子もどうやら昂ぶらせている様である。

『わたしへの最大の賛辞であり、称賛の視線ですわ…』
 さっき私のこのフェチな視線を受けて律子はそう云った…
 そして…
『より魅惑的に見える様なストッキングを選んで穿いているんですから…』
 だからその私のフェチな目が嬉しいとも。

『アナタの心をより刺激できるから…』
 そして律子は妖艶な輝きの目で私を見つめこうも云ってきた。

 それはつまりは…
 律子自身もこの私のフェチな目に昂ぶりと悦びを感じているという意味でもあるのだろう。

 そして…
『うん、まだダメ…帰ってから…ね…』
 それは早く明日の出張の準備を済ませ、律子のマンションへと戻り(帰って…)愛して欲しい…
 そう私に云ってきたのだ。

「あ、うん」
 私はそんな律子の想いと昂ぶりを受け、急ぎ、明日の新潟支社出張、万が一の一泊の準備を整えていく。

 ホント、律子は堪らないな…

 私はいそいそとクローゼットから、下着、シャツ類を引っ張り出しながら、さっきの律子の魅力溢れる美しい脚と、魅惑のストッキング脚、そして妖艶な輝きの艶気の目を思い返しながら、そう心をザワザワと、いや、ウズウズと揺らがせていた。

「よし、一泊くらいだからこんなもんかな?」
 と、私はミドルサイズの某ブランドのボストンバッグに詰め込み、準備を終わらせ…
「さあ、行こうか」
 そしてそう云って、軽く律子の肩を抱き寄せ…
「あ…」
 ホント、軽く、そして優しく、キスをする。

 それは無意識のキスであった…




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