シャイニーストッキング
第14章 もつれるストッキング3 常務取締役大原浩一
49 愛の囁き…
「軽く朝食を用意しますね…」
そう云ってくる律子の穏やか表情と、声音になんとなくだが…
その違和感が払拭された様に感じたのである。
「あぁ、うん…」
そして私はそう返事をしながらゆっくりとベッドから立ち上がり…
「あん、え?」
私はキッチンへ静かに歩み寄り、朝食の支度を始めた律子の後ろから…
思わず抱き締めてしまった。
「律子…」
その私の行為…
律子を抱き締めた動きは無意識であった。
そしてこの胸の揺らぎとときめきに、いや、心の昂ぶりに…
「律子…あ……」
キスをしてしまう。
「え、あ…ん…あ、アナタぁ…」
そのキスを律子は声音を震わせながら受けてくる。
ドキドキ…
心の昂ぶりが、ときめきが…
抑え、押さえ切れない。
そして実は…
本当は…
律子と名前を呼んだ後に…
『愛している…』と、云いそうになったのだが…
咄嗟に、必死な想いで自制をし、口を紡ぐ意味でのキスをしたのである。
なぜか…
なんとなく…
『愛している…』
と、軽々しく言葉に出してはいけないと…
そう、さっきのキスする直前の瞬間に、咄嗟に脳裏に浮かんだのだ。
いや、違うかも…
『まだ早い…』
だったかもしれない。
そう…
律子に愛を告げるのには…
『まだ早い…』
と、あの瞬間、脳裏に心が囁いてきたのだ。
「あ…ん…あぁ、もう、アナタったらぁ…」
すると律子はそう囁きながら私の顔を押さえ、唇を離し…
「もぉ今夜にしましょうね、今夜に…」
と、穏やかな、愛に溢れた優しい表情をして、そう囁いてきた。
そしてその表情は…
やはり、昨夜まで私がどことなく感じていた見えない律子の心の中にあった薄い壁、カベが壊れ、消え、いや、払拭したかの様な今までとは微妙に違う表情に感じ、いいや、見えたのである。
その微妙な変化に私の心が敏感に反応をし…
一気に私自身も律子に対して秘かに抱いていた想いの壁を壊せたのかもしれない。
だから…
思わずに『愛している…』と言葉に出そうになったのだろう。
そして『まだ早い…』
それは…
新たに心の中に芽生えた『野心』という衝動の思いが…
そう思わせ、咄嗟に浮かび、自制させたのだと想うのだ。
「軽く朝食を用意しますね…」
そう云ってくる律子の穏やか表情と、声音になんとなくだが…
その違和感が払拭された様に感じたのである。
「あぁ、うん…」
そして私はそう返事をしながらゆっくりとベッドから立ち上がり…
「あん、え?」
私はキッチンへ静かに歩み寄り、朝食の支度を始めた律子の後ろから…
思わず抱き締めてしまった。
「律子…」
その私の行為…
律子を抱き締めた動きは無意識であった。
そしてこの胸の揺らぎとときめきに、いや、心の昂ぶりに…
「律子…あ……」
キスをしてしまう。
「え、あ…ん…あ、アナタぁ…」
そのキスを律子は声音を震わせながら受けてくる。
ドキドキ…
心の昂ぶりが、ときめきが…
抑え、押さえ切れない。
そして実は…
本当は…
律子と名前を呼んだ後に…
『愛している…』と、云いそうになったのだが…
咄嗟に、必死な想いで自制をし、口を紡ぐ意味でのキスをしたのである。
なぜか…
なんとなく…
『愛している…』
と、軽々しく言葉に出してはいけないと…
そう、さっきのキスする直前の瞬間に、咄嗟に脳裏に浮かんだのだ。
いや、違うかも…
『まだ早い…』
だったかもしれない。
そう…
律子に愛を告げるのには…
『まだ早い…』
と、あの瞬間、脳裏に心が囁いてきたのだ。
「あ…ん…あぁ、もう、アナタったらぁ…」
すると律子はそう囁きながら私の顔を押さえ、唇を離し…
「もぉ今夜にしましょうね、今夜に…」
と、穏やかな、愛に溢れた優しい表情をして、そう囁いてきた。
そしてその表情は…
やはり、昨夜まで私がどことなく感じていた見えない律子の心の中にあった薄い壁、カベが壊れ、消え、いや、払拭したかの様な今までとは微妙に違う表情に感じ、いいや、見えたのである。
その微妙な変化に私の心が敏感に反応をし…
一気に私自身も律子に対して秘かに抱いていた想いの壁を壊せたのかもしれない。
だから…
思わずに『愛している…』と言葉に出そうになったのだろう。
そして『まだ早い…』
それは…
新たに心の中に芽生えた『野心』という衝動の思いが…
そう思わせ、咄嗟に浮かび、自制させたのだと想うのだ。