シャイニーストッキング
第14章 もつれるストッキング3 常務取締役大原浩一
52 尖るという事
そのズルい思いが故の…
『まだ早い…』
という思いなのだ。
律子の愛、愛情を完全に受け入れ、そして私自身の愛を、愛情を与える…
その見返りに、芽生えた野望の後ろ盾としての最終兵器となるであろう律子の血脈の存在感を求める。
最終兵器が故に…
いや、最後の切り札とする為にも…
そんな簡単に私の愛を囁いてはダメなんだ、そしてそれが尖る…
と、いう事に通ずるのだと思う。
そんな想いと思いが、今朝の律子を昂ぶる想いの衝動に思わず無意識に抱き締めたあの瞬間に…
一気にその思いが急激に心に湧き起こり、私は必死な想いで自制をしたのだ。
ズルい…
いや、いいんだ…
これがこの前に…
佐々木ゆかり…
蒼井美冴…
そしてこの松下律子という三人の優秀で素晴らしく美しい彼女達との関係を保つという…
尖るという事であり、それに通ずる事であると思うのである。
「はい、これをご覧くださいな」
すると、上越新幹線の流れる車窓を眺め、そんな事を想い浮かべていたら…
律子がまた再び秘書然とした顔をして、ノートパソコンを手渡してきたのである。
「え?」
「これ、あの青山一也さんの履歴です」
「え、あ、うん、そうか…」
手渡されたノートパソコンのディスプレイには、今、向かっている新潟支社在籍の、いや、本社から飛ばされてしまい、引き戻す為に向かっている本人…
『青山一也』の履歴資料が写っていた。
「彼の、青山さんの履歴資料読んでいませんよね?」
「あ、いや、そうだった…」
そうなのであった…
ピックアップを越前屋くんにすっかり任せっきりで、そして彼女の眼力を信用していたばかりに、ろくに精査しなかった、いや、忙しさに任せてしまっていたのであったのだ。
「これから口説き落としに向かうんですから、ちゃんと見て、読んでくださいね」
と、律子から戒め的な口調で言われてしまう。
「あ、うん、そう、すまない」
そう呟き、パソコンのディスプレイに目を向けた。
青山一也…
32歳、独身
埼玉県浦和市出身
早稲田大学商学部卒業
某大手証券会社に3年在籍後、我が生保会社に転職…
そのズルい思いが故の…
『まだ早い…』
という思いなのだ。
律子の愛、愛情を完全に受け入れ、そして私自身の愛を、愛情を与える…
その見返りに、芽生えた野望の後ろ盾としての最終兵器となるであろう律子の血脈の存在感を求める。
最終兵器が故に…
いや、最後の切り札とする為にも…
そんな簡単に私の愛を囁いてはダメなんだ、そしてそれが尖る…
と、いう事に通ずるのだと思う。
そんな想いと思いが、今朝の律子を昂ぶる想いの衝動に思わず無意識に抱き締めたあの瞬間に…
一気にその思いが急激に心に湧き起こり、私は必死な想いで自制をしたのだ。
ズルい…
いや、いいんだ…
これがこの前に…
佐々木ゆかり…
蒼井美冴…
そしてこの松下律子という三人の優秀で素晴らしく美しい彼女達との関係を保つという…
尖るという事であり、それに通ずる事であると思うのである。
「はい、これをご覧くださいな」
すると、上越新幹線の流れる車窓を眺め、そんな事を想い浮かべていたら…
律子がまた再び秘書然とした顔をして、ノートパソコンを手渡してきたのである。
「え?」
「これ、あの青山一也さんの履歴です」
「え、あ、うん、そうか…」
手渡されたノートパソコンのディスプレイには、今、向かっている新潟支社在籍の、いや、本社から飛ばされてしまい、引き戻す為に向かっている本人…
『青山一也』の履歴資料が写っていた。
「彼の、青山さんの履歴資料読んでいませんよね?」
「あ、いや、そうだった…」
そうなのであった…
ピックアップを越前屋くんにすっかり任せっきりで、そして彼女の眼力を信用していたばかりに、ろくに精査しなかった、いや、忙しさに任せてしまっていたのであったのだ。
「これから口説き落としに向かうんですから、ちゃんと見て、読んでくださいね」
と、律子から戒め的な口調で言われてしまう。
「あ、うん、そう、すまない」
そう呟き、パソコンのディスプレイに目を向けた。
青山一也…
32歳、独身
埼玉県浦和市出身
早稲田大学商学部卒業
某大手証券会社に3年在籍後、我が生保会社に転職…