シャイニーストッキング
第14章 もつれるストッキング3 常務取締役大原浩一
65 あうんの呼吸…
「ま、私も、合併後に本社となった◯◯商事からの執行役員からの、いきなりの常務就任で、まだまだ自分でも落ち着いていないので…」
と、なるべくリラックスさせようと柔らかく、穏やかに話しをしていく。
「…で、とりあえずこの関東甲信越エリアの各支社の運営実績等を少し調べていたらですね…」
と、私はここで後ろに凛とした姿勢で立って控えている律子に振り向き…
「あ、はい…ここ最近、この新潟支社に於いて、資産運用実績が急激に伸びているという事が目に止まり、少し色々と調べさせていただきました」
まるであうんの呼吸の如くに、打ち合わせもしなかったのだが、律子は見事に私の言わんとする言葉を引継いで語ってくれる。
「すると面白いデータが出てきまして…」
「え、データですか?」
すると永岡支社長が問い返してきた。
「はい、どうやらそのデータによると、ある人物の異動の時期と同期というか、同じ流れであり、その人物の異動後に新潟支社の運営実績が急激に突出し、そゎ代わりに抜けた本社の運営実績が約40%以上近く下がった…というデータが露骨に現れたんです」
「あ、は、はい…」
すると永岡支社長はその律子の話しの内容を理解したのだろう…
そしてまるで肩の力が抜けた様に、いや、安心した感じに、パァっと明るい顔色に変わり…
「青山くんを呼びたまえ」
と、後ろに控えていた秘書に告げる。
「は、はい」
その秘書はそう返事をし、サッと踵を返し、応接室から出ていった。
そして…
「それは、その青山くんの力なんですよ」
永岡支社長はそう言ってくる。
「ほう、青山くん」
「はい、彼は元々は本社の資産運用部に在籍していたのですが、こちらに異動してきまして…
そしてすぐにこちらの資産運用実績が急上昇しまして…」
「なるほど、かなり優秀なんですね」
「はい、資産運用に関してはかなり優秀な逸材なんです」
「ほぉ、でも、なぜそんな優秀な逸材の彼が本社からこの新潟支社に飛ばされたんですか?」
私は、永岡支社長にカマを掛けた。
「え、あっ、そ、それは、そのぉ…」
すると永岡支社長は一転し、面白い様に慌て、そして言い澱んだのだ…
「ま、私も、合併後に本社となった◯◯商事からの執行役員からの、いきなりの常務就任で、まだまだ自分でも落ち着いていないので…」
と、なるべくリラックスさせようと柔らかく、穏やかに話しをしていく。
「…で、とりあえずこの関東甲信越エリアの各支社の運営実績等を少し調べていたらですね…」
と、私はここで後ろに凛とした姿勢で立って控えている律子に振り向き…
「あ、はい…ここ最近、この新潟支社に於いて、資産運用実績が急激に伸びているという事が目に止まり、少し色々と調べさせていただきました」
まるであうんの呼吸の如くに、打ち合わせもしなかったのだが、律子は見事に私の言わんとする言葉を引継いで語ってくれる。
「すると面白いデータが出てきまして…」
「え、データですか?」
すると永岡支社長が問い返してきた。
「はい、どうやらそのデータによると、ある人物の異動の時期と同期というか、同じ流れであり、その人物の異動後に新潟支社の運営実績が急激に突出し、そゎ代わりに抜けた本社の運営実績が約40%以上近く下がった…というデータが露骨に現れたんです」
「あ、は、はい…」
すると永岡支社長はその律子の話しの内容を理解したのだろう…
そしてまるで肩の力が抜けた様に、いや、安心した感じに、パァっと明るい顔色に変わり…
「青山くんを呼びたまえ」
と、後ろに控えていた秘書に告げる。
「は、はい」
その秘書はそう返事をし、サッと踵を返し、応接室から出ていった。
そして…
「それは、その青山くんの力なんですよ」
永岡支社長はそう言ってくる。
「ほう、青山くん」
「はい、彼は元々は本社の資産運用部に在籍していたのですが、こちらに異動してきまして…
そしてすぐにこちらの資産運用実績が急上昇しまして…」
「なるほど、かなり優秀なんですね」
「はい、資産運用に関してはかなり優秀な逸材なんです」
「ほぉ、でも、なぜそんな優秀な逸材の彼が本社からこの新潟支社に飛ばされたんですか?」
私は、永岡支社長にカマを掛けた。
「え、あっ、そ、それは、そのぉ…」
すると永岡支社長は一転し、面白い様に慌て、そして言い澱んだのだ…