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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

70 強力な武器…

「うわぁ、本当にえっちゃんの言っていた通りの常務さんなんですねぇ」
「え、越前屋くんのって?」
「いや、うーん、それはまだ秘密にしておきますけど…えっちゃんはそんな感じの事を僕に一生懸命に伝えてきたんですよ」

「越前屋さんが…」
 すると律子がそう呟いてきた。

「はい、だから今度の常務さんは信じるに値するって…」
「はい、それはもちろんですわ」
 律子が続く…

「それに美人秘書さんの事も…」
「え?」

「今はまだ秘密ですけどね」
 彼、青山くんはそう冗談めかしに笑いながら言ってきた。

 そんな彼の柔和な言葉を聞き…
 なかなか彼の人間性もかなりのもんだな…
 とも、感心する。

『社内の男尊女卑の風潮を改革しようと必死に抗ってくれた人なんですぅ…』
 そしてそんな越前屋の言葉が脳裏に浮かんできた。

「じゃあ…」
 そこで私がそう問うと…
「はい、ぜひ大原常務のお力ななりたいです、よろしくお願いします」
 そして…
「あ、美人秘書さんの為にも…」 
 と、まるでナンパの様な軽さも見せてきたのだ。

「うん、まあ、冗談はさておき…
 じゃあこれから一緒によろしく頼む」
 
「はいすいません、ぜひよろしくお願いします」
 そして私と青山くんは固く握手を交わし…

「じゃ今後の話しをこの美人秘書から聞いてくれたまえ」
 私も負けじとそう言い…

「ちょっと永岡支社長と話してくるから」
 と、一人で支社長室へと向かう。

 とりあえず一人目の強力な武器を確保できたようだ…
 だが、越前屋と律子という影の力の影響力が心に引っ掛かってもいた。

 いや、彼、青山くんに関しててはほぼ越前屋くんのお陰といえる…
 だが私は直ぐにそんな思い、考えを改める。

 だってその越前屋くんと律子の2人はもう既に、私の強力な武器であり、強力なシンパシーという存在なのであるからだ…
 だからそんな余計な事は考えずに、逆にもっともっと上手く操れるくらいにならないといけないのだ。

 そしてそれがまた、私のこれからの課題のひとつになるのだと思う…

 だからこの後、この後は永岡支社長を如何に軽く取り込めれば…
 それが私自身の為になる筈であり、きっと必ず今後の何かの為になる筈であろうと思うのだ。

 私はそんな事を考え、思いながら支社長室のドアをノックする…



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