シャイニーストッキング
第15章 もつれるストッキング4 律子とゆかり
195 帰りのタクシー(7)
「それにそういえばぁ、ゆかりさんにも殆ど向いていなかったわよねぇ…」
完全なからかいモードの美冴さんはそう続きてくる。
そしてわたし自身も、こんな越前屋さんと美冴さんの二人の明るいやり取りによって、さっきの彼と松下秘書さんの二人から感じていた不惑の動揺から少し心がようやく軽くなりつつあったから…
「うん……そう、さっきの大原常務は、わたしに目どころか顔さえも、全く向けてさえこなかったわよ…」
と、美冴さんのからかいモードに便乗した応えをしたのである。
「え、そ、そうなんですかぁ……」
すると越前屋さんは更に動揺気味な声音を発し、そして、その動揺を見逃さずにからかいモード全開の美冴さんが…
「きっとぉ、大原常務はぁ、可愛い越前屋さんがお気に入りなんじゃないのぉ…」
と、間髪を入れずにそう畳み込んでいく。
「ほらぁ、きっとね、わたしと美冴さんにはさぁ、色々とツッコまれちゃうから、特にわたしの事は恐がっているからさぁ…」
そしてわたしも、この流れと美冴さんのからかい全開モードに便乗し、そう話しを合わせていく。
「うん、そうかもねぇ…
わたしこの前、ほら、主任に選らばれた件で大原常務に強くツッコんで尋ねたし、ゆかりさんとはもう長年のコンビだから、きっとわたしたちが恐いのよ…」
と、笑いを堪え、いや、含みながらそう言った。
だが、本気で動揺し、そして心を昂ぶらせ、高鳴らせている越前屋さんには、こんな美冴さんとわたしの二人のからかいモードの心理を読めずに、いや、きっと読む余裕もなく...
そしてわたしは更に、彼女の心を昂ぶり、高鳴らせ、舞い上がらせるコトバを囁いたのである。
「ほらぁ、もしかしたら大原常務は越前屋さんの事を…可愛くて、可愛くて堪らないんじゃないのかなぁ…」
このわたしからの囁きは…
そんな越前屋さんの心の琴線を激しく揺らし、震わせる甘い言葉。
「えっ……」
それは以前、わたしと伊藤敦子との三人で女子会的な会話をした飲みの場での…
『わたしぃ、大原常務がぁ、タイプなんですぅ…』
という、越前屋さんにとっての淡い恋心、憧憬からの告白のコトバへの刺激…
いや、からかいのつもりであったのだが…
今の越前屋さんの心の琴線は激しく揺れ、震えてしまったみたい…
「そ、そんなぁ…」
「それにそういえばぁ、ゆかりさんにも殆ど向いていなかったわよねぇ…」
完全なからかいモードの美冴さんはそう続きてくる。
そしてわたし自身も、こんな越前屋さんと美冴さんの二人の明るいやり取りによって、さっきの彼と松下秘書さんの二人から感じていた不惑の動揺から少し心がようやく軽くなりつつあったから…
「うん……そう、さっきの大原常務は、わたしに目どころか顔さえも、全く向けてさえこなかったわよ…」
と、美冴さんのからかいモードに便乗した応えをしたのである。
「え、そ、そうなんですかぁ……」
すると越前屋さんは更に動揺気味な声音を発し、そして、その動揺を見逃さずにからかいモード全開の美冴さんが…
「きっとぉ、大原常務はぁ、可愛い越前屋さんがお気に入りなんじゃないのぉ…」
と、間髪を入れずにそう畳み込んでいく。
「ほらぁ、きっとね、わたしと美冴さんにはさぁ、色々とツッコまれちゃうから、特にわたしの事は恐がっているからさぁ…」
そしてわたしも、この流れと美冴さんのからかい全開モードに便乗し、そう話しを合わせていく。
「うん、そうかもねぇ…
わたしこの前、ほら、主任に選らばれた件で大原常務に強くツッコんで尋ねたし、ゆかりさんとはもう長年のコンビだから、きっとわたしたちが恐いのよ…」
と、笑いを堪え、いや、含みながらそう言った。
だが、本気で動揺し、そして心を昂ぶらせ、高鳴らせている越前屋さんには、こんな美冴さんとわたしの二人のからかいモードの心理を読めずに、いや、きっと読む余裕もなく...
そしてわたしは更に、彼女の心を昂ぶり、高鳴らせ、舞い上がらせるコトバを囁いたのである。
「ほらぁ、もしかしたら大原常務は越前屋さんの事を…可愛くて、可愛くて堪らないんじゃないのかなぁ…」
このわたしからの囁きは…
そんな越前屋さんの心の琴線を激しく揺らし、震わせる甘い言葉。
「えっ……」
それは以前、わたしと伊藤敦子との三人で女子会的な会話をした飲みの場での…
『わたしぃ、大原常務がぁ、タイプなんですぅ…』
という、越前屋さんにとっての淡い恋心、憧憬からの告白のコトバへの刺激…
いや、からかいのつもりであったのだが…
今の越前屋さんの心の琴線は激しく揺れ、震えてしまったみたい…
「そ、そんなぁ…」
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