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シャイニーストッキング

第4章 絡まるストッキング3 大原本部長と佐々木ゆかり部長

 76 美冴の想い ①

 あの頃… 

「そう、美冴さんの『黒い女』の頃よ…
 あの頃、わたしは彼を奪られるような気がして恐かったの…」

 その時佐々木ゆかり部長は、一人の佐々木ゆかりという女に変わり、激白をしてきたのである…

 あの頃…
 それは今年の4月から…

「あの頃のオペレータースタッフ全員が美冴さん、貴女に違和感を感じていたの…
 そして社内の皆が『黒い女』と、面白おかしく美冴さんを見ていた…
 だが、わたしは当時、課長としての立場があったから一応、違う面でも美冴さんを注視、観察をし始めたの…」

「するとわたしはあることに気づいたの、
 それは、貴女、美冴さんの魅力…なの…」

「えっ、魅力…」
 わたしは思わず訊き返す。

「そう、美冴さんの女性として、女としての魅力に気づいたのよ…」

「女の魅力…」

 そうなのか…

「そう…」

「それはそうよ、だってしばらくは、暇ある毎に美冴さんを見て、観察していたもの…」
 そう云うとゆかりさんは再び、あの憧憬の目をしてきたのだ。

「そして、いつの間にか…」
 ゆかりさんは呟くように云った。

「えっ、いつの間にか…」

「そう、いつの間にか、わたしは美冴さんの魅力に魅了されていたの…」
 ゆかりさんの目が完全に、あの憧憬の目になったのだ。

「え、魅了…」
 わたしは思わず訊き返す。

「そう魅了よ…
 魅了されていたことに気づいた…かな」

 まさか、そんな事を…

 いや、やはりそうか…

 なんとなく、あの憧憬の目を見てそう思ってはいたのだが、まさか本当にそうだとは…

 ドキ、ドキ、ドキ、ドキ、ドキ、ドキ…

 急に胸が昂ぶってきた、そしてそれは少しヤバい昂ぶりであった。
 わたしは思わずゆかりさんを見つめる。

「あの頃は美冴さんの『黒い女』の意味なんて勿論知らなかったし、想像すらしなかったから…そして、ただの変わった、変な女だな、と最初は見ていたから…」
 それはそうだ、いつも真っ黒なんて変な女しかいない。

「だから、たがら、美冴さんの魅力に魅了されたことに気づいた時は…
 もの凄い衝撃を受けてしまったの…」

 それって…

「そしてその衝撃が…
 もしも、わたしが女だったら惚れてしまう…
 と、いう想いを浮かばせてきたの…」

 まるでそれは、まさかの告白じゃないか…




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