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シャイニーストッキング

第4章 絡まるストッキング3 大原本部長と佐々木ゆかり部長

 82 心の迷宮 ②

 うん、えっ、なに…

 ゆかりさんの目が…

 目が、濡れてきた…

 間違いない、目が濡れてきたのだ。
 驚きや動揺の目ではない、間違いなく濡れた光を帯びてきたのである。

 これは…

 欲情…

 興奮…

 の、目である。

「わたしを好き、好きになっちゃったのよね…
 そして、憧れちゃってるのよね…」
 わたしの昂ぶりの衝動が、そう囁かせてくるのだ。

 ドキ、ドキ、ドキ、ドキ、ドキ、ドキ…

 ズキ、ズキ、ズキ、ズキ、ズキ、ズキ…

 ああ、抑えきれない…

 ゆかりさんの美しい顔が、その美しい唇が、濡れてきた目と共に濡れた艶を浮かび上がらせる。

「あ、いや、え…」
 
 わたしはそのゆかりさんの濡れた欲情の目を見ていたら

 彼を奪うのではなく
 彼、大原本部長からこの美しいゆかりさんを奪ってしまいたい…

 そんな衝動が、想いが、湧き起こってきたのである。

 ドキ、ドキ、ドキ、ドキ、ドキ、ドキ…

 ズキ、ズキ、ズキ、ズキ、ズキ、ズキ…

「奪っちゃおうか…」
 そして思わず、そう、呟いてしまったのだ。

「えっ…」
 多分、ゆかりさんを見つめるこの子宮の疼きに支配されているわたしの目も、もちろん、欲情の濡れた目をしている筈なのである。
 だからわたしのこの呟いた意味は、ゆかりさんにはわかるはずなのだ。

「奪っちゃおうかな…」
 わたしはそう呟きながら、テーブルの下で、自らのヒールの爪先部を、ゆかりさんの脚の脛の辺りを軽く、ツーっと撫でていく。

「あっ…」

 ゆかりさんの脚は、そんなわたしのヒールの爪先部を感じ、ビクッと脚を震わせた…





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