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シャイニーストッキング

第5章 絡まるストッキング4 和哉と美冴1

 85 5年前、あれから…(71)

「あっ、み、美冴さん、そんな…」
 和哉は、わたしが飲み込んだのに気付いて、慌てて制止してきた。

 いいのよ…
 わたしは目でそう応える。

「いや、ダメですよ、そんな、汚いから…」
 慌ててそう云ってくる。

 ゴクリ…

 とりあえず口の中のモノを飲み込み、わたしは伝える。

「和哉のモノだもの、汚くなんかないわ…」

「み、美冴さん…」

「だって和哉も、わたしのあんな…」
 汚いストッキングの爪先を舐めてくれるじゃないの…
 そう云った。

「あっ、いや、それは…」

「だって和哉だって云ってくれるじゃない…
     わたしに汚い処なんてないって…」

「え、まぁ…」

「わたしは、和哉を、キミを、愛してるの…」
 わたしはそう囁きながら、和哉の顔を両手で押さえてキスをする。

「あぁ、み、みさえさぁん…」
 
 だが、わたしはハッとして唇を離した。

「あっ、ごめん、まだ口の中に、和哉の…」
 和哉の精子が残っているのに…
 そう言おうとして唇を離したのだが。

「あっ…」
 今度は和哉がわたしの顔を両手で挟み、キスをしてきたのである。

 あぁ、かずやぁ…

 わたしはそのキスに心が震え、蕩けてしまうのだ。

「み、みさえさん、僕も…」
 僕も、愛しています…
 キスをしてくる和哉の目が、わたしの心にそう囁いてくる。

 ああ…

 そしてわたしと和哉の二人の心が蕩けてひとつに融合していく…


 ああ、和哉…

 和哉…

 かずや…

 かずや…








 だが、今夜で…

 これで…

 わたしと和哉との禁断の…

 背徳の…

 心震える…

 蕩けるような関係…
 は、終わりを告げるのである。





 わたしが今夜で終わりにしたのだ…






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