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シャイニーストッキング

第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太

 44 健太の若さ

「あっ、ううっ…」
 健太はわたしの中でそう喘ぎを漏らしながら、二度、三度と自身を震わせ、果てていった。

「あん、んん…」
 そしてわたしもそんな彼の熱い想いの射精を自身の中で受け止めながら、思わず喘いでしまう。

 一昨夜の逢瀬でもそうだったのだが、まだまだわたし的には健太は若いと感じてしまうのだ。 
 わたしの中の男遍歴の一番の比重はあの亡くなったゆうじなのであるが、彼はセックスに関してもわたしと付き合うまでは百戦錬磨の猛者であったし、わたしの『黒い女』からの覚醒のきっかけとなって抱いてくれた大原浩一本部長も、こと女関係には経験豊富な猛者的な筈なのであった。
 だから、そのわたしの中の比較基準の二人の男達と比べてしまうと、かなり若く、まだまだ…と、感じてしまうのである。

 それ以外に健太の若さに比較的近いとなるのは例の和哉になってしまうのだが、それはそれでなかなかわたし自身の中では消化不良であったし、比較し辛いのだ。

 だけど、今夜の健太は頑張った方かな…

 ギリギリなんとか一緒にイケたし…

 わたし的には、こうして二人同時にイケるのがある意味理想的なセックスであり、十分に今夜の健太はギリギリではあったのだがそれを満たしてくれたといえるのだ。

 この前の夜よりは頑張った…

 そう想いながら、わたしは健太の腕の中で抱かれ、この今の快感の、絶頂感の余韻に浸っていると、なぜか彼はわたしの顔を何かを考えながら見てくるのである。


「えっ、何、そんなに…
        見ないでよ…」
 わたしは恥ずかしくなり、そう呟いた。

「え、いや、美冴さん、好きです…」
 すると健太は。いきなりそう呟いてきたのだ。
 その言葉にわたしは思わずドキンとときめきを感じてしまったのである。

 『美冴さん、好きです…』

 なんて甘い、甘美な言葉の響きなんだろうか…

 余計な飾りの言葉がないから、逆に、健太自身の素直なストレートの想いを感じる…

 わたしはその言葉に心が震えてしまう。

 そもそもが、今夜健太に逢った瞬間からわたし自身の心はときめいていたのであったのだ…




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