
シャイニーストッキング
第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太
49 1997年8月8日金曜日午後7時20分
「こんばんわぁ…」
付き合い始めて四カ月の彼女、北条真実(まみ)が明日からの9連休に入るので、仕事を終えて、桜新町にある僕のアパートに泊まりに来たのだ。
「ようやく、お休みになったわぁ…ふうぅ」
そう呟きながら、狭い六畳一間の端にあるベッドに寄りかかり、ため息をついた。
僕のアパートは学生が借りる様な典型的なアパートで、一応ユニットバス、トイレ付きで三畳程の簡単な流しのキッチンが付いていた。
そして六畳にはシングルベッドと、机が置いてあり、小さな簡易テーブルを置くと部屋が目一杯であったのだ。
でも僕にとっては実家の自分の部屋と同じ広さであり、ユニットバス、トイレも付いているので何の不満もなかったのである。
「ねぇ、お腹空いてないのぉ…」
と、真実が言ってきた。
真実…
彼女は僕の二つ年下の、池袋にある某弁護士事務所で何番目かの秘書を高卒から努めている。
年齢には二つ下なのだが、社会人としては二年目であり、ましてや民事系の専門の弁護士事務所らしいので世の中の裏側の汚い部分をを既にかなり見てきているのだ…と、彼女は口癖のように語ってくる。
バブル崩壊と共に自己破産者がかなりの数増えていて
『いつもぉ、借金まみれの人ばきり見てて嫌になっちゃう…』
と、よく僕に愚痴をこぼしてきていた。
そんな彼女だから実にしっかりとしており、そして真実、つまり『しんじつ』と書いて『まみ』と呼ぶ位なので、より現実的で、尚且つ前向きな性格なのであった。
だが、そんな彼女だから、いや、だからこそ、いつまでも五年前の美冴さんとの想いを深層に引きずりながら、そしていつまでも拘り続けている僕自身は彼女と一緒にいるとすごく楽なのだ…
「こんばんわぁ…」
付き合い始めて四カ月の彼女、北条真実(まみ)が明日からの9連休に入るので、仕事を終えて、桜新町にある僕のアパートに泊まりに来たのだ。
「ようやく、お休みになったわぁ…ふうぅ」
そう呟きながら、狭い六畳一間の端にあるベッドに寄りかかり、ため息をついた。
僕のアパートは学生が借りる様な典型的なアパートで、一応ユニットバス、トイレ付きで三畳程の簡単な流しのキッチンが付いていた。
そして六畳にはシングルベッドと、机が置いてあり、小さな簡易テーブルを置くと部屋が目一杯であったのだ。
でも僕にとっては実家の自分の部屋と同じ広さであり、ユニットバス、トイレも付いているので何の不満もなかったのである。
「ねぇ、お腹空いてないのぉ…」
と、真実が言ってきた。
真実…
彼女は僕の二つ年下の、池袋にある某弁護士事務所で何番目かの秘書を高卒から努めている。
年齢には二つ下なのだが、社会人としては二年目であり、ましてや民事系の専門の弁護士事務所らしいので世の中の裏側の汚い部分をを既にかなり見てきているのだ…と、彼女は口癖のように語ってくる。
バブル崩壊と共に自己破産者がかなりの数増えていて
『いつもぉ、借金まみれの人ばきり見てて嫌になっちゃう…』
と、よく僕に愚痴をこぼしてきていた。
そんな彼女だから実にしっかりとしており、そして真実、つまり『しんじつ』と書いて『まみ』と呼ぶ位なので、より現実的で、尚且つ前向きな性格なのであった。
だが、そんな彼女だから、いや、だからこそ、いつまでも五年前の美冴さんとの想いを深層に引きずりながら、そしていつまでも拘り続けている僕自身は彼女と一緒にいるとすごく楽なのだ…
