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シャイニーストッキング

第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2

 42 オスの目

「全部スッキリできたの…」
 と、わたしは和哉に訊いたのだ。

「はい、全部スッキリしましたぁ…」
 すると彼は、にこやかに、軽やかに、返事をしてきた。

 本当にスッキリしたのか…
 少し、わたしには信じられなかった。

 だって…

「これで僕の五年間の心の迷走の時間が終わり、終わりにできます…
 そして明日から、新しい一歩を踏み出す事ができそうです…
 美冴さんありがとう…」
 和哉はそう感謝の気持ちを伝えてきたのだ。

 本当なのか…

 こんなんで、本当にスッキリなんてできたのか…

 だって、だって、五年間だぞ…

「そ、そんな、ありがとうだなんて…
 元はといえば、わたしがあんな消え方しなければ…」
 わたしはそんな想いを浮かべながら、慌ててそう言った。

「それは、もういいんです、それを云ってしまうとまた、堂々巡りになっちゃいますから…」

 堂々巡りか…

「そうかぁ…」
 確かにキリがないかもしれない。

「はい…、それよりも、今も、いや、今迄以上に綺麗でいてくれてありがとうございます…」
 それは心からの、本当に和哉がそう思い、そして感謝をしてきた様には感じたのである。

 だが、そう言った和哉の目が、今までの憧憬の目から一瞬、男の、いや、オスの目の輝きを放った感じがしたのだ。

 えっ…

 その目は…

 この和哉の目は…

 わたしは急にドキドキとしてきてしまう。

 間違いない、オスの目だ…

 オスの目…

 それは…

 女を欲する目…

 ドキドキドキドキ…
 胸が騒めいてくる。

 えっ、まさか…

 まさか、和哉は欲情をしてきたのか…


「あっ、ごめん、ちょっとトイレね…」

 わたしは席を立つ…




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