
シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2
41 見えない壁
答えは自ずから分かるのだ…
やはり今夜の再会は、終わりの始まりなのであろうか…
手を伸ばせば届く距離、すぐ目の前に憧れの、五年間も憧憬の想いを渇望し、一時期は胸を掻きむしるほどに切望していた美冴さんがいる…
だが、今はその手を伸ばせない、いや、伸ばす事が出来ない。
そう、僕と美冴さんの間には見えない壁が立ち塞がっているのだ。
いや、見えない壁を僕自らが、作っているといえるのである…
どうするんだ和哉…
どうする…
「ふうぅ、やっぱり少し調子に乗って飲み過ぎたみたい」
美冴さんはトイレから戻るなりそう話してきたのだ。
「そ、そうなんですか…」
なんとなくだが、ますます見えない壁が高くなったように感じてしまう。
この熱い想いの機先を上手く逸らされてしまった感じがする。
「うん、お酒は好きなんだけどね…強くはないのよね」
「あ、僕もです」
「サークルとか入ってないからコンパなんていかないのかぁ…」
「あ、でも、入学して直ぐに、とある某サークルの新歓コンパに無理矢理連れていかれて…一度だけ、吐くほどに、メチャクチャに潰れるほど飲まされました」
ああ、上手く僕の熱い想いは逸らされてしまったようだ…
そして違った意味でこの話題を話したくなっていたのである。
「あらぁ、そうなんだぁ…」
上手く逸らされてしまったようだ…
「吐くほどかぁ…」
「はい…酔い潰れてしまい、気付いた時は店の前でゲロまみれになって寝ていました」
僕はその当時を一瞬思い出し、苦笑いをしながらそう告白をしたのだ。
「へぇ、そうなんだぁ…」
「はい、それからはしばらくお酒が怖くなって、飲みませんでしたよ」
「ふふ、やっぱり和哉はかわいいね」
ドキッとしてしまう。
そう言った笑顔が堪らなく、美しく、かわいいのだ。
いいのか、和哉…
再び、心の中に本当の僕自身が囁いてくる。
だが…
でも、どうすることも出来ない、いや、出来やしないのである。
この先、どうやって今夜の流れを引っ張っていけばよいのか…
さっぱり分からなかった。
ただ、変な胸騒ぎと、心の騒めきと、昂ぶりがしているだけであったのだ…
そして二人の間にそびえ立つ見えない壁が、ますます高く伸びていき、立ち塞がってきていたのである…
答えは自ずから分かるのだ…
やはり今夜の再会は、終わりの始まりなのであろうか…
手を伸ばせば届く距離、すぐ目の前に憧れの、五年間も憧憬の想いを渇望し、一時期は胸を掻きむしるほどに切望していた美冴さんがいる…
だが、今はその手を伸ばせない、いや、伸ばす事が出来ない。
そう、僕と美冴さんの間には見えない壁が立ち塞がっているのだ。
いや、見えない壁を僕自らが、作っているといえるのである…
どうするんだ和哉…
どうする…
「ふうぅ、やっぱり少し調子に乗って飲み過ぎたみたい」
美冴さんはトイレから戻るなりそう話してきたのだ。
「そ、そうなんですか…」
なんとなくだが、ますます見えない壁が高くなったように感じてしまう。
この熱い想いの機先を上手く逸らされてしまった感じがする。
「うん、お酒は好きなんだけどね…強くはないのよね」
「あ、僕もです」
「サークルとか入ってないからコンパなんていかないのかぁ…」
「あ、でも、入学して直ぐに、とある某サークルの新歓コンパに無理矢理連れていかれて…一度だけ、吐くほどに、メチャクチャに潰れるほど飲まされました」
ああ、上手く僕の熱い想いは逸らされてしまったようだ…
そして違った意味でこの話題を話したくなっていたのである。
「あらぁ、そうなんだぁ…」
上手く逸らされてしまったようだ…
「吐くほどかぁ…」
「はい…酔い潰れてしまい、気付いた時は店の前でゲロまみれになって寝ていました」
僕はその当時を一瞬思い出し、苦笑いをしながらそう告白をしたのだ。
「へぇ、そうなんだぁ…」
「はい、それからはしばらくお酒が怖くなって、飲みませんでしたよ」
「ふふ、やっぱり和哉はかわいいね」
ドキッとしてしまう。
そう言った笑顔が堪らなく、美しく、かわいいのだ。
いいのか、和哉…
再び、心の中に本当の僕自身が囁いてくる。
だが…
でも、どうすることも出来ない、いや、出来やしないのである。
この先、どうやって今夜の流れを引っ張っていけばよいのか…
さっぱり分からなかった。
ただ、変な胸騒ぎと、心の騒めきと、昂ぶりがしているだけであったのだ…
そして二人の間にそびえ立つ見えない壁が、ますます高く伸びていき、立ち塞がってきていたのである…
