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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 17 ゆかりとの電話 ⑦

 お台場のテレビ局…

 それはそもそものこの仕事の話しのきっかけとなる、営業社員の杉山の父親のいるテレビ局である。
 そしてその父親はなんとそのテレビ局の報道局長という重要な役職に就いており、ひとえには我が社のコールセンター部に所属している息子の為に…と、いうきっかけではあるのだが。

 営業は結果が全てなのである、経過はさほど重要ではなく、結果、売り上げ、利益が最優先事項なのである。
 だがら、例え、親子の縁であろうが、縁故であろうが、理由などはどうでも良いのだ。
 そしてその結果、成果、成績はまずはその部署の責任者である、コールセンター部部長の佐々木ゆかりの営業実績の成績と本社は判断をする、つまりはこの先へのキャリアアップへの一つの、いや、大きな材料となるのである。

 更にもう一つ並行しての
『新規事業計画プロジェクト』の成功が、これもまた責任者である佐々木ゆかり部長であり、プロジェクト室長である彼女の確実なキャリアアップへの材料になるのは間違いがないのだ。

 また、それを私が本社の本部長としてカバーをし、責任のケツ持ちをする、そして新たに執行役員として参画する子会社化した保険会社を建て直す事が、私とゆかり二人の次への、更なるキャリアアップへのステップアップへと通じる事になるのである。

 そしてその成功を私はこの佐々木ゆかりという彼女の力、存在により、なぜか確信しているのだ。


彼女ならば、ゆかりならば、滞りなく、大成功をもたらすはず…
 という、確信と自信が不思議と湧いてくるのである。

 だから、今回のそのコールセンター部にとっても未知の新しい業態ではあるのだが、私は全く心配はしていないのだ…

 ただ唯一心配があると云うならば、それは、ゆかりの体調、疲れ、コンディション…なのである。
 
 ただでさえ今も、既に、オーバーワーク気味なのだ、そして彼女は絶対に弱音は吐かないと思われる。

 だから、私が彼女を影でコントロールをする…
 つまりは、彼女を助ける人材を確保する…
 そして適切なアシストをする…

 この三つが最重要、最優先事項だと考えていたのであった。

 だから例えこうして直接逢えなくても、電話では密に連絡を取り、会話をし、声を聞き、訊いて確認をする…
 これはワイルドに、尖っても変えられないのだ…



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