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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 50 興奮の勢い

 私はストッキングフェチである…のだが、今、この場面ではゆっくりときよっぺのパンストの感触を楽しむ程の心の余裕などは全く無く、すっかり興奮し、オスの衝動に昂ぶっていた。
 そしてその昂ぶりの勢いのままに、彼女のパンストのウエスト部に指先を掛けて、パンティごと脱がそうとする。

「あ、ね、ねぇ、コッペ、ちょっと」
 と、喘ぎながらも彼女が声を掛けてきた。

「あ、うん?」
 その声で、私は一瞬動きを止める。

「ね、ねぇ、ベッドへ、ベッドに行きましょうよ…」
 そう言ってきたのだ。

「あ、うん、そうだ…な」
 そこで初めて気持ちが落ち着いた。

 そうなのである、興奮の勢いの流れに任せてしまっていたのだが、ここは玄関の上がり框なのである。

 流石にここでは…という場所である。

「もお、どうなるかと思ったわ…」
 彼女はそう微笑みを浮かべて呟きながらゆっくりと立ち上がり、私の手を握り、奥へと導く。

 この部屋は2LDKであった。
 玄関を入り、横にトイレ、バスルーム、ドレッシングルームがあり、その奥が8畳程のリビングダイニングルームとなっていて、二つの個室のドアが付いている典型的な普通の造作の部屋といえ、
そして南側のテラスに通じる大きな窓からは夜の駅が見下ろせる。

「玄関でヤられちゃうのかと思ったわよぉ」
 そう言いながらベッドルームのドアを開く。

「ねぇ、シャワーを…」
 そしてそう言い掛けた瞬間に、再び私は彼女に抱き付いていったのだ。

「あっ、うんっ」
 その勢いでベッドに倒れ込む。

「シャワーの前に…ヤる」
 私はそう呟いた。

 久しぶりの…

 22年振りの…

 きよっぺの、彼女の香りが欲しいのだ…

 シャワーなんて要らない…

「あん、こ、コッペぇ」
 そう喘ぐ彼女の声音にも、シャワーを浴びない嫌悪感は感じられなかったのである。

 そう、そしてシャワーを浴びて、気持ちの昂ぶりが醒めるのも…

 恐かったのだ…





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