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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 59 懐古の心地よさ

 その涙混じりの塩辛い味の口吻、キスをする。

 心が震える…

 だが、同時に…

 さっき、中で出しちゃったけど…

 いいのか…

 今ならいいのか…

『赤ちゃんが出来ちゃうから』
 あね27年前の言葉が脳裏に蘇り、巡ってきていた。
 そしてそんな私の疑問の色が、目に映ったのかもしれない。

 
「ふうぅぅ…」

 私は射精の快感と、長年抱いていた心残りの忘れモノを完遂できた満足感、そして心の充足感の安堵の吐息を漏らし、腕枕をしてきよっぺを横に抱き、見つめていく。

 室内はエアコンは効いてはいるのであるが、27年間の想いを込めた激しいセックス、性交に、お互いに高ぶったのであろう…
 全身なしっとりと汗を滲ませ、お互いに湿っていた。
 だがなぜか、その湿り気は不快ではなかった、いや、逆に心地よい感触であったのだ。

 そうだ、昔も、あの頃も、よく二人して汗だくになっていたな…
 そんな懐古の心地よさなのかもしれない。


「あ…あの…」
 そんな思いを回顧していると、きよっぺが口を開く。

「あの…さぁ」
「うん」
「ブラジャーだけ、まだ付けてるんだけど…」

「えっ」
 その言葉に思わず彼女の胸元を見る。

「あっ…」
 本当であった、彼女はブラジャーだけの姿であったのだ。
 私がすっかり興奮し、一気にニット地のワンピースを捲り脱がしてパンティと一緒にパンストを脱がし、夢中になってそのまま挿入れて動いたからブラジャーにはノータッチになってしまったのである。

「もぉ…、ま、そんな魅力あるオッパイではないし、もう垂れてきてますけどね…」
 と、微笑みながら言ってきた。

「ご、ごめん、つい、夢中になっちゃって…」

 本当に、その一瞬は頭の中が真っ白になる程に興奮し、夢中になってしまい、早く挿入れる事だけを思っていたのである…





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