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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 60 疑問の答え

「ご、ごめん、つい、夢中になっちゃって…」
 本当に、その一瞬は頭の中が真っ白になる程に興奮し、夢中になってしまい、早く挿入れる事だけを思っていたのである。

「少しでも早く挿入れて、ひとつになりたかったから」
「うん…、分かってる、わたしもそうだったし…」
「うん、ごめん」
「ううん、大丈夫」

「それよりもさ…」
 そこでさっき浮かんだ疑問を訊く事にする。

「あのさ…、中で…さ」
 中で出しちゃったけどいいのか…
 と、目に込める。

「あ、うん、ごめん…」
 と、謝ってきたのだ。

「え、いや、何で…」
 なぜに謝ってくるのか…

「本当にごめんなさい…
 実はわたし…
 出来ないの…
 出来ない女なの…」
 と、そう彼女は言ってきたのだ。

「えっ…」
 そんなきよっぺの言葉に、一気に心が痛む。

 そして…

『赤ちゃんが出来ちゃうから…』
 という、あの27年前に彼女が云った、そして私達を固く呪縛した、その言葉が再び脳裏を巡ってきていた。
 
「ううん、出来ない女だった…の」
 付け足す様に言ってくる。

「だから、あの…謝らなくっちゃって、ずうっと思ってて…」
「うん…」
「本当は、あの頃したって全然平気だったのに…って」

「うん…」
 返す言葉が見つからなかった、いや、どう返して、返事をしたらいいのか分からなかったのだ。

「あのね、離婚もね、そのせいだったのよ…」 

 私はその言葉を聞いた瞬間に、無意識にきよっぺに抱き付き、口を塞ぐかの様なキスをした。

「あ…」

 なんとなく…

 その彼女の言葉を聞いた瞬間に、もう彼女には話させたくない…

 急激にそんな想いが沸き起こり、口を塞ぐかの様にキスをしたのだ。

 いいよ…

 もうわかったから…

 話さなくてもういいよ…





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