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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 81 律子との電話 ⑤

 そうか、そうだよな…

 律子も…

 そうなんだよな…

 律子も、銀座のクラブがお盆休みでフリーなのである。

 うーん…

 やはり、私は…
 人生最大のモテ期なのかもしれない。

 ゆかり…

 美冴…

 律子…
 と、いう、どこに出しても劣らない、いや、かなりの三人の美女達が…

 そして昨夜、新たに、きよっぺという四人目の女性が現れたのだ。

 モテ期なのかもしれない…

 いや、女難…なのか?
 
『東京へはいつ?…』
 律子は小さな声で訊いてきた。

 その小さな声がまた、私の男心を…
 いや、スケベでいやらしいオスの本能を…
 ズキズキと刺激してくるのである。

 本来であれば…
 昨日の帰りの新幹線の中でチラと考えた予定では…
 とりあえずこっちに居る間は、毎日母親のお見舞いに行き…
 昨夜である10日は、幼馴染みの店で軽く飲んで、早めに帰宅して、早く寝て…
 11日、12日はゆっくりと過ごして、仕事とゴルフの疲れを抜き…
 13日に、墓参りと10回忌の法事を済ませ…
 14日の一日を静養に当ててゆっくりと過ごしながら充電をし…
 15日の午後に東京へ戻る。

 そして…
 ゆかりと2日間程、まったりといつものホテルに連泊して過ごそう…
 と、いう予定を、軽くではあるが考えていたのである。

 だが…

 この律子の、不意の問い掛けに、一気に心の迷いが生まれてしまったのだ。

 そして昨夜…

 つまりは帰宅したその初日の10日の夜に、20年振りの運命的な元カノであるきよっぺとの再会を果たし、そのままの流れと勢いで熱い逢瀬を過ごした為に、既に、その予定は根本的に崩れてしまっていたのである。

「うーん…」
 
 どうするべきか…
 本気で迷い始めていた。

 そして、オスのいやらしいスケベな本能が、心の中で顔を出して囁いてくるのだ。

 律子とも過ごせばいいさ…

 過ごすつもりだったんだろう?…

 横浜じゃあ、不発だったじゃないか…

 気にせず…

 ヤればいいんだよ…

 それは、まるで悪魔の囁きであった。



 モテ期?…

 それとも、やっぱり女難なのか?…





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