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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 99 きよっぺ ⑤

「シャネル…」
 思わず言葉に出てしまった。

「うん、よく分かったわね」
「………」
「そうかぁ、彼女と…同じなのね」
 そう囁いてくる。

 ただ、あまりにも微か過ぎて、直ぐには気付かなかったのだ…
 ここにも、きよっぺと律子、二人の共通点があったのだ。

 だから余計にきよっぺといると律子を浮かべてしまっていたのか?…

「あ…いや…」
 その彼女と同じなのね…に、返せないでいると
「ふうん、なんかぁ、少し妬けちゃうなぁ」
 きよっぺはそう呟いてくる。

「あ、いや、うん…」
 こんなんで動揺している自分に少し情けななく感じてしまう。

 すっかりウソが上手になったと思っていたんだが、まだまだだなぁ…
 
 そして私はそんな焦りを誤魔化すかの様に、きよっぺの胸元に顔を寄せ、ブラジャーのフロントホックに指先を掛けるのだが、実は、いかんせん、このブラジャーのホックを外すのが苦手であったのである。

「あ、今夜は気付いてくれたのねぇ」
 ホックに四苦八苦していると、そう笑みを浮かべながら囁いてきた。
 そうなのだ、昨夜は興奮のあまりに、ブラジャーを外さずに彼女に夢中になって挿入れて、抱いてしまっていたのであり、終わってから揶揄われたのであったのだ。

「あ、う、うん…」
「もお、相変わらず下手くそなんだからぁ」
 笑いではなく、苦笑であった。

「え、昔から?」
「うん、昔からよ、ブラ外すのが下手くそだったわ」
「そ、そうだっけ…」

 あまり記憶にはない…

「うん、こっぺは昔からそんなにオッパイには興味なかったのよねぇ」
「そんな…」
 そんなことは…あったのだ。

「昔から脚が、ストッキングが好きだったのよねぇ」
 
「えっ、あ、う…」

 ドキンとした…

「まぁ、わたし昔からオッパイは小さかったから、かえってよかったけどさぁ」
  そんなきよっぺの突然の昔の回顧にドキドキしてくる。

 そんな昔からストッキングフェチだったんだっけ…

「冬にさぁ、黒いストッキング穿いてシたらさぁ、目を輝かせてたじゃなぁい」
「そ、そうだっけ…」
「そうよぉ、ドキドキするって云いながら撫で回してたわよぉ…」
「そう…だっけ…」
「だから、あれからはなるべくストッキングを穿いてあげようって思っていたんだからぁ」

 確かにそうかもしれない…

 


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