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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 108 あれから…①

 私はきよっぺを抱き寄せ、再び唇を合わせキスをした。

「あ…んん…」
 すると喘ぎ声が震えてくる。

 もしかして…
 ある想いが不意に浮かんできたのだ。

「もしかして…」
 私は唇を離し、きよっぺの目を見て訊いていく。

「もしかして…
 抱かれるのは…
 いや、男が…久しぶり…だったとか?」

「えっ」
 そう訊いた瞬間にきよっぺは、ハッとした様な顔をして私を見てきた。

 ズバリ…だったのか…

「う、うん…」
 するとやや伏し目がちになって頷いた。
 そして、私に抱かれている自分のカラダを更に私に預け、しがみ付くかの様に腕を腰に回し、自らのストッキング脚を絡ませてくる。
 抱いているきよっぺのカラダが熱い、熱く感じてきた。

 うん、興奮してるのか?…

 いや、違うか…

 すると、顔を上げ、そして私の目を見つめ、口を開く。
 その彼女の大きな瞳は、また、濡れてきていた。

 興奮ではなく、高揚してきているのだ…


「久しぶり…うん…チョー久しぶりだったの」

 確か、離婚は私と同じ3年前と云っていた…

「チョー久しぶりって?」

「うん…
 そう、9年、いや、10年かな…」

「えっ…」
 それは衝撃の告白であった。

「じ、10年って…」

「うん、10年だと思う…
 わたしの不妊症がハッキリ判ってからだから…」

「え、その間は?」
 思わず訊いてしまった。

「無いわよ、それは、もちろん無いわよ…」

「そ、そうか、ごめん」

 少し無神経過ぎたかも…
 だが、驚いてしまい、つい、訊いてしまったのである。

 まさか、10年とは…

「すると…」

「うん…、いわゆる家庭内別居ってやつかな」
 きよっぺは泣きそうであった。

 胸がザワザワと騒めいてしまう…

 まさか、10年振りのセックスとは…

「セカンドバージン…」
 つい、呟いてしまったのだ。
 
 だが…

 だが、更に…

 更に、きよっぺの衝撃の告白を訊いてしまうことになるのである…

「うん、確かに『セカンドバージン』
 ってヤツだけど…」

 だけど…

 だけど、何だ…

 まだ、何か…


 まだ、何か、あるのか?…


 

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