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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 135 本当の自分自身

 東京に戻ってしまえば忘れるはずさ…
 そうだそうだよ、今だけ今夜だけ…
 この先だって、実家に帰ってきた時だけさ…

「あぁもぉ、や、だからぁ…」
 そう考えていると、きよっぺは呟きながら横を向こうとしてきた。
 私はなぜかそんな彼女の反応に、思わず再び、欲情のスイッチが入ってしまったのである。

 そうだよ、今だけさ、実家に戻った時だけさ…

 せっかくこうして27年越しに手に入れたんだから…
 たまに顔を出す、もう1人の自分がそう囁いてきたのだ。

 もう1人の自分…

 実は、それが本当の自分自身、本性なのかもしれない。

 もっとヤっちゃえ…

 きよっぺを狂わせちゃえ…
 更にそう囁いてくる。

 心がザワザワと一気に騒めき、怒張が再び昂ぶってきた。
 そして私はその囁きのままに欲情していく。

 きよっぺの横を向くその仕草にすかさず手で顔を押さえ、そして私はキスをする。

「あ……」
 すると、彼女は私の唇を素直に受け入れた。

 ほら、きよっぺだってもっと、もっと、シたいんだよ…

 もっとヤりたいんだよ…

 さっきより、もっと感じたいんだよ…

 もう1人の自分がそう囁き、私の思考を支配してきたのだ。
 

 いや違う…

 これが本当の自分自身、オスの本性なのである…

 そのオスの本当の本性が、より多くの…

 よりたくさん多くのメスを求めてくるのだ…

 ただ…

 ただ、ヤりたいんだ…

 ヤりたいだけなんだ…

 いい女とヤりたいだけなんだ…

 気持ち良くなりたいだけなんだ…

 きれいごとなどもういいんだ…

 このきよっぺをずうっとヤりたかったんだ…

 それでいいじゃないか…

 ゆかりだってそうだ…

 向こうからアプローチしてきたなんて、そんなことはきれいごとだろう…

 向こうからアプローチしてこなかったら遅かれ早かれ、こっちからアプローチしていたはずじゃないのか…

 それに山崎専務の画策で律子を抱いたなんて、それもきれいごとだろうが…

 あんな艶気のある若い美女ホステスが気に入ってくれていたんだ、手を出さないはずがないじゃないか、あり得ない…

 そして何かの不思議な導きで美冴を抱いた、ヤった、それもただの言い訳じゃないか…

 美冴の存在を知った時点で彼女に魅了されていたくせに…



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