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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 142 リビングルーム

 きよっぺはキスしていた唇を離し…

「ねぇ、でもちょっと待って…
 こんなにシーツをびしょびしょにしちゃったから交換しないと…
 それに、シャワーも浴びたいし…」
 そう言ってきたのだ。

「あ…、そうだよな」
 確かに彼女の『潮吹き』でシーツはびしょびしょに濡れていた。

「それにやっぱり、ちょっとおしっこの臭いするしさぁ」
 と、パンティストッキングに穴を開けて穿いていたモノも、その『潮吹き』によりすっかり濡れていたし、その湿りに指先を這わせて匂いを嗅いでそう呟いたのだ。

「ね、だから少し待っててね…」
「あ、うん」
 そして私は彼女に促されてとりあえずパンツを履き、リビングに向かった。

「確か冷蔵庫にビールあるから…」
「ああ、ありがとう」
 そして缶ビールを手にリビングのイスに座る。

「そのテーブルの下に灰皿あるわよ」
「うん…」
 私は缶ビールを飲みながらタバコを吸い、すっかりリラックスタイムとなってしまったのだ。
 そして改めてリビングルームを見回した。

 リビングルームは約12畳位だろうか、ベランダに通じる窓にベージュ系のカーテンが掛かっていて、白い壁紙と淡く馴染んでいる、そしてこの私が座っている2人掛け用のリビングテーブルとイス、それとテレビが壁際にポツンと置いてある……だけなのだ。
 他に飾り等、なにも無いのである。

「あ…」
 すると脳裏に突然、似たようなリビングルームが浮かんできた。

 そうだ…

 律子だ…

 律子のリビングだ…

 この必要最低限のモノしかないリビング…

 まるで、デジャヴだ…

「ふうぅ…」
 私はタバコの煙りを吐き、再びぐるりとこのリビングルームを見回していく。

 律子ときよっぺ…

 こうまで2人は似ているのか…

 いや、共通点がこれほどあるとは…

 胸がザワザワと騒めいてきていた。

 律子か…

 脳裏に律子のあの美しく、キリッとした、理知的な顔が浮かんでくる。

 律子の七不思議…

 それは私が彼女を抱き、愛した時に心に浮かび上がってきた、彼女の不思議な仕草や所作、そして伝わってくる想い等の羅列であった。

 抱かれる時に、手で喘ぎ声を必死に抑える…

 感じ、昂まると自分で弄ってくる…

 感極まってくると、貴方(あなた)と呼んでくる…




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