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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 143 判明した共通点

 律子の七不思議…

 抱かれる時に手で喘ぎ声を必死に抑える…
 昂ぶると自分で弄ってくる…
 感極まってくると貴方(あなた)と呼んでくる…
 この三つの共通点は直ぐに判明した。

 そして今、改めて判明した四つ目の共通点…
 このほぼ何も無いリビングである。

 律子を抱く事に、知る事に、こうした彼女に対して感じている七不思議の四つまでもがきよっぺとの共通点である事が判明したのだ。

 それらの共通点の意味することは何なんだろうか…

 律子ときよっぺ、私は改めてこの2人の姿を思い返してみる…
 この2人は全く別タイプの似ても似つかぬ見た目なのであるのだが、この人間の、いや、女性としての本質、本性ともいえる、性、セックスに於いて四つも共通点があるのだ。

 だから初めて律子を抱いた時に、無意識にきよっぺを感じたからなんとなく懐かしさを感じ、魅かれたのか…

 それとも直ぐに律子との共通点を感じたから、きよっぺを抱いても違和感を感じなかったのか…

 どちらが先なのかはわからない…

 だが確実に感じる事は、律子とこのきよっぺには四つの共通点が間違いなく存在し、そしてそれはおそらく2人の心の奥底に蠢いている性への、セックスへのある種のコンプレックス、それともトラウマ的なモノ、もしくはその両方からによるモノからなのだろう…
 と、そう思えるし、感じている、いや、感じていたのである。

 そして、あと一つ共通点があったのだ…

 それは2人共に間違いなく私を、この大原浩一という40歳の中年男の事が好き、いや、愛してくれている…
 と、いうことなのだ。

 これは昨夜、今夜ときよっぺを抱いてよく分かったし、実感もしたし、そして私と彼女の心の奥底にずうっとあった、未通、未遂、未挿入…と、いう青春の忘れモノの存在という共通点ならぬ共通項があったからなのは直ぐに判明した。

 だが、しかし、今だによく理解できない事…
 それは、なぜ、律子がこうまで私の事を好いて、愛してくれているのか?、という素朴な疑問なのだ。

 そしてその理由は、未だに訊いてはいなかった、それは、例えば2人の逢瀬の夜にサクッと訊いてしまえば良いのであろうが、もしも訊いて万が一その場がシラケてしまうのが怖いし、そしてもう、今更訊けない…
 そんな関係といえるからである。



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