テキストサイズ

シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 147 感化…

 その時私は、心から、心の奥底からきよっぺが愛おしいという思いが湧き起こってきていたのである。

 ホント、おこがましい思いだな…

 また、そんな自虐気味な不惑の想いも湧いていたのだ。

 まるでガキだ、10代の子供みたいな考えじゃないか…

 だが、きよっぺと一緒に居ると、想いや、心の揺れ、昂ぶりは、そんなあの27年前からのまるでガキの、10代の子供の頃の思いに還ってしまうのである。

 そして不意に、さっきの元旦那の不倫の話しをしていた彼女の哀しみに暮れた顔が、目が、浮かんできたのだ。

 もう哀しませたくはない…

 笑顔にしたい…

 そんな想いが浮かんだ瞬間であった、まだ先程の昂ぶりからの未遂のままの怒張が再びウズウズと疼き、脈打ち始めてきた。
 すると不意に、そして唐突に、美冴の顔が浮かんできたのである。

 ああ、これは、この想いの昂ぶりは、
ついこの前に『黒い女』からの急激な覚醒による自律神経の暴走に戸惑い、不惑した美冴の哀しみと哀愁に感化した時の昂ぶりと同じだ…

 確か、あの時は…

 そう想いながら、私は浴室へと向かう。

 そうだ…

 あの時は、そんな美冴のあの哀しみの目が堪らなくて…

 心が震えて…

 そして愛おしくて…

 私は浴室に入り、バスルームのドアを開ける。

「え、あっ、こっぺ…」
 きよっぺは驚いた表情をしてそう呟き、そして私はシャワーを浴びている彼女に抱き付いていく。

 そうだ…

 あの時はこうして堪らずにシャワーを浴びている美冴を抱き、愛したんだ…
 心がそう囁いてきた。

「き、きよっぺ…」

 私は泡に塗れた彼女のカラダを抱き締め、そしてシャワーの雫を浴びながらキスをしていく…

「あぁ…」
 キスをしている唇に、シャワーのお湯の雫が流れ込んでくる。

「え、ど、どうしたの」

「我慢できなくなっちゃったんだ…」
 そう囁きながら、泡塗れのカラダを撫でていく。

「あ、あぁ、そんなぁ…」

 そう喘ぐと彼女はカラダの力が抜けたかの様になり、浴室の壁にカラダを預ける。

 そして私は彼女を壁に押し付けて、後ろからのいわゆる『立ちバック』という体位で挿入れたのだ…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ