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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 150 禁断の…

「あぁ…、なんかぁ腰がぬけちゃったみたい」
 きよっぺはシャワーの雫を浴びながら床にうずくまったまま、そう呟いてきた。

「えぇ、腰が…」
 そんな大袈裟な…
 と、思いながらも彼女の腕を掴み、そしてゆっくりと抱き起こしていく。

「よいしょ」
「あん、ごめんね…
 でもさぁ、こんなに感じたの初めてだからさぁ…
 もう膝も腰もガクガクみたいなの…」
 彼女はそう呟きながら、何とか私の腕の支えでヨロヨロと立ち上がった。
 そしてバスタオルをカラダに巻いていく。

「ふうぅ…」
 と、洗面台に手を着き、そう吐息を漏らす。
 
「あぁ、まだ腰がガクガク…」
 笑みを浮かべながら私の顔を見てくる。
 その笑顔はまだ興奮と、快感の余韻に高揚している様に見えた。

「ホント、こんなに感じたの初めて…
 まだ、アソコがジンジンしてるの…」

「そうか、でも感じたみたいで良かったよ」
 私は心からそう思う。
 男冥利に尽きるというモノである。


「うん…すごかったの…」
 だが、きよっぺはなんとなく浮かない表情でそうポツリと呟いたのだ。

 うん、なんだ…
 私はその浮かない表情に少し引っ掛かり
「どうかした?」
 そして思わずそう訊いた。

「うん…、だってさぁ…」
 すると彼女はなんとなく言い辛そうに話してきたのだ。

「うん…」
 なんだろう?…

「だってさぁ…
 こんなに気持ちいい快感を味わってしまったからさぁ…」
 伏し目がちでそう呟きながら、私の腕を掴んできた。

 あ、そうか…

「こんな快感を、ううん、禁断の快感を知っちゃったらさぁ…」

 そうか、そうだよな…

「もうさぁ………」

 その先の言葉は分かってしまった…

「もうさぁ、こっぺの事を、忘れられなくなっちゃう………かも」
 そして掴んだ腕に力が籠もる。

「あ、うん…」

「ううん、もう忘れられない…」
 そう囁いてきたきよっぺの瞳は濡れていた。

 その濡れた瞳からは…

 欲情…

 高揚…

 興奮…

 愁い…

 哀愁…

 哀願…

 切望…

 そして愛、愛情を感じた、いや、伝わってきたのである…





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