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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 164 究極の三択

「さて…」

 そんな事を逡巡しながら、きよっぺの折り返し電話をどうしようか?…
 と、思案をする。

 昨夜の帰り際には、今日の具体的な話しはしなかった…
 そして今回の帰省は明日13日の10回忌の法事がメイン目的であり、また、急な母親の入院という事もきよっぺは十分に理解している筈なのであった。
 そして一昨夜、昨夜の逢瀬は云うなればサプライズな出来事である事も、聡明な彼女は理解している筈なのである。

 だから、3夜連続で逢わなくても…
 と、いう想いはある、のであるが、多分、彼女もおそらくは理解している筈なのであろうが、この私達2人の関係はこの私の帰省中だけの関係になる可能性がかなりある、という事なのだ。

 正直なところ、そしてゲスな男の、いや、オスのいやらしい考え方といえるのであろうが…

 勿体ない…のである。

 ようやく紆余曲折な流れではあったのだが、約27年間の青春の忘れ物的な切望の想いを遂げる事が出来、そしてそれがある意味、あと約残り3日間という期間限定なのだ…

 それが如何ともし難い想い…なのである。

 どうしようか…

 どうするべきなのか…

 とりあえず3日連チャンを避けて明日にするのか…

 いや、節操もなく今夜も誘うのか…
 多分、おそらくは私が折り返し電話をしなければ、今夜はもう電話は掛かって来ないと思われる。

 きよっぺはそんなタイプなのだ…

 それに、まさか、今夜、これからのノンとは食事で終わるに決まっているし、元より毛頭そんな下心は私には無い。

 だからこそなのである

 今夜の食事が終わってから逢うべきなのか…

 今夜は無しにするべきなのか…

 それとも折り返し電話さえもせずに、忙しいフリをして明日にしてしまうべきなのか…

 これこそがウソも方便という、ある意味試験ともいえるのだ。

 どうするべきなのか…

 私にとっては究極の三択といえる…



 

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