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シャドー鳥インフルエンザ編

第1章 ゾンビが発生した。

女性患者の顔をよく注意してみると、黒目の部分が、グルグル廻っているようにも見える。それに肩幅が異様に広く、両腕を振り子のように、腹の前でブラブラさせていた。

女性患者の顔は青白く、首筋の青白い血管が異常なくらい目立っていた。

「キシッ、キシッ、キシッ、キシッ、キシッ、ーーー」

歯ぎしりのような、耳障りな音が女性患者の閉じた口から放出される。

「グハッ、ヒィー、キシッ、キシッ、キシッ、ーーー」

下唇から白い泡を吹きだして、耳障りな音が聴こえた。おまけに鉄臭い血の匂いと、アンモニア臭い匂いが、中廊下全体に広がる。


ガチャ、バタン、!男性トイレの中から、60代の痩せた男性患者が出てきた。まさか自分のすぐ先を歩く女性患者が、ゾンビだとは思いもしない。退院の日も近いのか、松葉杖で歩くスピードも早く、目の前の女性患者と肩を並べた。

「キシッ、キシッ、キシッ、キシッ、キシッ、ーーー」



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