『シャドー鳥インフルエンザ編』第1章「ゾンビが発生した。」　7ページ

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シャドー鳥インフルエンザ編

第1章ゾンビが発生した。

女ゾンビは、60代の痩せた男性患者の喉から吹き出す鮮血を見て、満足そうな表情をしていた。
次の女ゾンビの標的は、中廊下の先にある看護師や入院患者達だった。

「伊藤さん！急いで手を貸して！早く防火扉を閉めるのよ！」

防火扉は、中廊下をすべて塞ぐ広さで重量もあるし、女一人では素早く閉めることは困難だった。

「分かったわ、もう、私も大丈夫だわ」

非常時使用する防火扉は、中廊下を直角に曲がった位置に設置せれていた。坂東久美子と伊藤恵令奈の二人は、女ゾンビに侵入される事もなく無事に防火扉を閉めることに成功をした。

「これで一安心ね」

「ええ、まさか、あの防火扉を壊したりはしないでしょう」

伊藤恵令奈と坂東久美子は中廊下の集中治療室まで、早足で歩いて来たが、すぐにあたり周辺の異変に気がついた。

国立千葉総合病院、整形外科病棟は、3年前に新規にオープンしたばかりの21世紀型の病院。最新鋭の設備が完備されていた。