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第5章 夏休み

どのくらい寝ただろうか。僕は、右肩を下にして横向きに寝ていたらしい。

目を開けると、目の前に膝が見えた。

「ん?おお!」

と僕が声を出すと妹は、「お兄ちゃん起きた?もう夕食終わっちゃったよ!お母さんが、そのまま寝かせてあげなさい!って言ったから、起こさなかったけど、お腹すいた?」

と聞いた。僕は、

「今、何時?」

と聞くと妹は、

「10時」

と答えた。そんなに寝ていたんだと僕は、思った。

「ご飯はいいや!このまま寝てるよ!」

と言った。妹は、クッションの上に正座をして漫画を読んでいた。

「お兄ちゃんが起きたら、ご飯のこと伝えようと思って、ここで漫画読んでたの!」

と言った。妹は、短いスカートを穿いていたため膝が見える。ちょっと短すぎないかと思った。

「そのスカート短すぎない?そんなの穿いてると親に怒られるよ!」

と言うと、妹は、

「良いの!これ部屋着だから!」

と言った。僕は、

「部屋着でも怒られるよ!そんな短いの!」

と言うと、

「あ、間違えた!部屋着じゃなくて……。」

と言って一旦言葉を止めた。僕は、

「部屋着じゃなかったら、何?」

と聞くと、妹は、

「部屋着じゃなくて……、2階用?かな?このスカートで下には降りないから……。」

と言った。

僕は、そのまま妹の膝と、その間の暗がりの部分を見つめていた。スカートの中は暗くて見えない。

その時、妹が、

「お兄ちゃん、痴漢したことある?」

と聞いた。僕は、ドキっとして、妹の膝から視線を外すと、

「あるわけないだろ!痴漢は犯罪だぞ!見つかったら逮捕されるんだぞ!」

と言うと、妹は、

「そうだよね!しないよね!」

と言った。僕は、

「どうしたんだ?突然!」

と言うと、妹は、

「う~ん、ちょっとね~。」

と、はっきりしない返事をした。

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