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綺麗なあの人に抱かれたい!

第8章 大好き!

 軽く目を見張る。私なりに一生懸命のつもりだったんだけど、どうにも消極的だと思われていたようだった。

「き、緊張でうまくできなくて」
「………」

 疑わしげな表情をされて、重い沈黙が落ちる。また卯月さんの顔が近づいてきて、こち、と額と額がぶつかった。

 探るような瞳は、私の言葉に嘘がないかを判断しているかのようで。

「……あ、あの、わたし」
「………」
「う、受け身、慣れてなくて」
「……え?」

 はたり、と卯月さんの瞳が瞬く。突然のカミングアウトに理解が追い付いていないみたいで、目を丸くして私を見つめている。

 変なこと言ってる自覚はあるけれど本当のことだ。私はいつも相手を気持ちよくさせてあげる側だったし、そうしてあげるのが好きだったから。濡れたらすぐ挿れちゃうのが常だったから、前戯にも慣れていなくて。相手に身を任せる、なんてしたことがない。

 主導権を相手に握られているこの状況自体、私にとってはあまり慣れない経験だった。

「あの、私、何したらいいですか」
「何って……」
「わ、わかんないの。ほんとに」

 言ってるうちにだんだん不安になってきた。卯月さんに失望されたらどうしよう。満足してもらえなかったらどうしよう。もしかしたら、幻滅させちゃうかもしれない。

 思えば、初めて抱かれた日もそうだった。

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