短編集 一区間のラブストーリー
第18章 短編その十八
「ど、どういうことなの?」
体を起こした佳彦が女言葉で戸惑っている…
「わかんねえ…でも、俺たち体が
入れ替わっちまったようだ…」
佳代子の姿なのにやんちゃそうなそうな
言葉を発する。
「そ、そんな!!!」
佳代子は狼狽えた。
口に手を押し当てて困惑する高校生の男の子…
その光景は滑稽ではあるのだが、
その姿は自分(佳彦)なのだから
吐き気さえ催した。
「そ、そのうち、また戻るかもしんないぜ…」
自分で自分を励ますように、
そう言うのがやっとだった。
「俺、今日、学校休む…」
そう告げると自分の部屋に閉じこもった。
頭の整理をしなければ…
これは夢なのかもしれない。
少し寝て目覚めれば、
変な夢を見たと笑い話にできるかもしれない。
そう思い、ベッドに潜りこもうと服を脱いだ。
横になってみてから気づいた。
胸が…胸が窮屈だ…
手を胸にやると、
大きな乳房を隠しているブラがあった。
「こんなものを付けてるから胸が窮屈なんだ」
手を後ろに回し、ホックを外そうとしたが
なかなかうまくいかない。
ようやく取り外しに成功すると、
胸の窮屈さから一気に解放された。
見下ろすと双方の膨らみが揺れていた。
『か、母ちゃんって…
けっこうデカパイだったんだ』
服の上から見慣れていた乳房の膨らみを、
こうして裸のおっぱいを眺めていると
変な気持ちになった。
この際だから、
熟女のヌードをじっくりと見てやろう…
佳彦は衣服を脱ぎ捨てて鏡の前に立った。