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愛玩物語

第4章 守って、守られて

夏の薄暗い夜の道


新城先輩に抱っこされながら私は星空を見上げていた。

とても、綺麗だった。だけど、私の心は安らがない。


「ここか?」


新城先輩の言葉で気がつくと家の前にいた。

私は頷いた。

そのまま新城先輩はドアまで行き、インターホンを鳴らした。


ガチャリ


ドアからお母さんが慌てて出てきた


「葉月!どうしたの!?」


心配そうな顔で私を見る。


やめて、お母さん・・・そんな顔しないで・・・


「水上さん、委員会の仕事で用具を片付けてる時、腰を痛めてしまい、しばらく保健室で寝ていたんですよ。まだ痛む様なので俺がこうして・・・あ、ちなみに俺は水上さんの先輩で、、、」


新城先輩は適当な嘘を言った。

レイプした女、母親に向けてヘラヘラとしながら。

私は、悔しかった。何も、何もここで言えなかった自分に。

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