テキストサイズ

もう推しとは言えない *番外編更新中

第9章 マッサージ



どう、答えればいいの?
正直に私はポチが好きって言えばいいの…?それとも、ポチはただの推しだよ、何言ってるの?って笑って誤魔化せば良いの…?


「…な、んで?」

「どうなのかなって思って。…ま、聞くまでもないか。」

「うん…聞くまでもないよ。」


…ただの推しだったら、こんなにドキドキしない。
好きなんだよ…。


「…ポチ、私…」

「…吉岡。あとどこか、マッサージして欲しいとこある?」

「え、あ…終わり?」

「あぁ。…気持ち良かったか?」

「うん。…もう一度やって欲しいな、って思うくらいには気持ち良かったよ…ポチ、ありがと。」


ちょっと残念な気持ちになる…。
もっと触れていて欲しかった、なんて…こんな私の気持ちを知ったら、きっとポチはドン引くよね。

そう思うから、言わない…。


「どういたしまして。じゃあ…そろそろ寝よっか。」

「うん。…あ、私の浴衣、」

「ほい。あ、帯、俺が結んでやろうか?」

「じゃあ…お願い。」


起き上がって、浴衣を着る。
ポチは…私の後ろに回って、帯を結んでくれた。

抱き締められてるみたいで…ドキドキする。
ポチのサラサラな髪が首元に触れて、くすぐったい。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ