もう推しとは言えない *番外編更新中
第9章 マッサージ
私が着替え終わるのと同時に、ポチも戻ってきたから…交代で、私も洗面所に行く。
顔を洗って…髪の毛を櫛で梳かして、いつものように結んでから、またポチのところに戻った。
「もう支度は出来た?」
「うん。ポチは…?」
「俺もオッケ。じゃ、忘れ物がないようにしてから部屋出るぞ。」
「うん。あ…ポチ、朝食券あるよ。このホテルの隣の建物の。」
カフェの朝食券だ。これを持ってけば、半額になるらしい。
「じゃ…チェックアウトしたら、そこで朝食食うか。それ、お前が持っててくれる?」
「うん。ポチ、あとで…宿泊料、返すね。」
「んなの気にするな、バカ。行くよ。」
コツン、と私の頭を優しく小突いて…フッとポチは微笑する。
気にするなよ、と言いたげに…また、サラッと繋がれた手。
私は嫌なんかじゃないし…むしろ、嬉しいとさえ思ってしまうから、その手を握り返す。
(ポチは…どんな気持ちで、手を繋いでくれているんだろう…)
そんなことを思いながら…私は、ポチについていってチェックアウトを済ませ、このホテルの隣の建物で朝食を取った。
そして、スマホの地図を確認しながら、ポチと途中まで一緒に歩いてって…家に帰ったのだった。