もう推しとは言えない *番外編更新中
第10章 元彼VS好きな人
渋々頷くと、睦人はやれやれ、とため息をついた。
「…早くしろよ。じゃ、そういうわけだしお前ら何か案出せよ。」
「え〜…」
「めんどくせぇ。実行委員、お前が勝手に決めたんだし出し物もそっちが決めれば?」
「お前の言うことなら、女子も聞くしさ〜。」
「そんなことしたらお前ら文句しか言わねぇだろ。」
あ、やば…何か揉めてない?
女子達は、『ちょっと、睦人くんに何失礼なこと言ってるの!?』とヒステリックに叫びながらも案を出したりはしないし、男子は男子でツンっとしてる。
あー、ダメだ、これ。
「…ねぇ、睦人、ここは仕方ないから、何個か適当に案出して、多数決にしない?」
「じゃあ、真帆がそれら書いてよ。」
「…。そういうとこだよ、睦人。」
「は?何生意気言ってんの…」
「おい、吉岡、田口。お前らが揉めてどうすんだ。」
…すみません、と担任の柊先生に謝る声が二人して被る。
確かに私達で揉めるのは良くない…。
「…準備も、本番することも少ない方が良いよね。」
「展示とか?それはさすがにつまんねーよ。」
「んー…じゃあ、何がいいの?ねぇ、皆…何か案ないかな?」