もう推しとは言えない *番外編更新中
第2章 浮気現場
_それから、また何日か経って。
睦人の私に対する対応というか接し方も、何もかもが変わっていない。
だけど、私は…睦人への疑念は強まっている。
それでも、睦人のことが好きで…追求は出来ずにこうして付き合っているまま。
ある意味平凡で、何も変わっていない日々だった。
だけど…。
「ねぇ、吉岡さん。ちょっといい?」
「あ…うん。」
(またか…)
久しぶりだな、こういうの。
睦人は…自他ともに認めるイケメンで、だからこそ女子からは憧れの的…であり、とにかくモテる。
だから…睦人の彼女であると知れ渡っている私は定期的に嫉妬を買うことになるのだ。
今日もまた、体育館裏に連れ込まれる。今どき、こんな古風な手段を使うんだなぁ…なんて。
「早く別れろよ。」
「え…」
「何とぼけた面してんの?アンタみたいな女が、睦人くんに釣り合うとでも?」
思ってない。
でも、それを…名前も知らない、部外者に言われる筋合いはないと思う。
そう思ったところで、口に出して言えるわけないけど。
「…あの、私、部活行かなきゃなので…」
「はぁ?話聞いてる?イケメン目当てのマネージャーなんか、来なくても誰も平気だから。」