もう推しとは言えない *番外編更新中
第2章 浮気現場
イケメン目当て、ね…。
確かに、野球部はイケメンが多いと評判だし、実際顔の整ってる男子が多い。
でも、私は睦人のことしか好きじゃないし…そういうのを目的にしてるわけでもなかった。
「…あ〜、ムカつくなぁ。何その顔?」
「…え、ちょっ…」
ヤバいっ…そう察知した時にはもう既に遅くて。
ドンッと階段から突き落とされて…、頭に鈍い衝撃が走る。
「いっ…た、」
(何これ、そこまでするっ?)
普通に暴行だよ、こんなの…そう思うのに、あまりにも痛くて声に出ない…。
「…睦人くんに付き纏った罰よ。さっさと別れなかったら、またするから。」
そう言い放ち、立ち去られる。
…うぅ、とにかく痛い…けど、今日はミーティングとはいえ、早く行かなきゃなのに。
その場に蹲っていると…。
「…お前何してんの?皆待ってんだけど。」
「り、睦人…ごめ、」
「早くしろよな。…何、お前転んだの?ドンくせえ。」
(いや、助けてよ…)
助けるどころか、冷たい言葉と視線。
睦人は…はぁ、とため息をついた。
「椎名に言われたから来てみれば、こんなところで蹲ってるとか。お前も自覚ねぇの?今、大事な時期なんだよ。」