もう推しとは言えない *番外編更新中
第11章 文化祭
「キャー、睦人くん、かっこいい〜!」
「イケメンすぎっ…」
_文化祭当日。
実行委員の集まりから教室に戻ってくると、女子達がコスプレ姿の睦人を囲んでいた。
何のコスプレしてんだろ?と思ったら…まさかの侍かい。
(それにしても…憂鬱、)
あれから…睦人は全く引く気配もなく、ことある事に私と二人きりになろうとするし、ほかの男子が話しかけるだけで牽制してくる。
ポチに言われたことなんてまるで耳に入ってないみたい。というか…意地になってるようにも見えるけど。
「真帆、おはよー。愛しの彼氏さん、囲まれちゃってるけど良いの?」
ニヤニヤと笑って私にそんな見当違いなことを言う由香里。
…由香里まで、完全に睦人を信じきってるみたい。
何度言っても信じてくれないから、もう諦め…。
それに、ポチを好きだなんて言ったら、もっと信じてくれなさそうだ。
「…おはよ。別に良いよ。っていうか、睦人は私の彼氏じゃないから。」
「も〜、拗ねないの!」
「拗ねてないし…あ、そうだ、由香里。私達の店番っていつだっけ?」
「ちょうどお昼の時間。それまでは睦人くんと文化祭まわってきなよー。私は他の子と行ってるから。」