もう推しとは言えない *番外編更新中
第12章 元彼VS好きな人 2
その後、両者また一歩も譲らない…。
睦人が強いのは分かってたけど、こんなにポチが食らいつくなんて。
カッコよすぎるよ…ポチのバカ。
「あの〜、埒明かないんで…ルール変えません?」
「そうだな…さすがに時間かけすぎだな、」
「俺がピッチャーやります。…どっちが先に打てるか、両方打った場合はどっちが強烈だったかで決めましょう。」
「その判定は?誰がすんだよ。」
「それは、観客の皆様方に。今回は三振とかなく一球ずつ交代で。
では、じゃあ…田口先輩から、どうぞ。」
「下手なボールすんなよ?柴田。」
「はい、任せてください。」
柴田くんの一投目…低めの変化球。
睦人は空振り。
そして、次はポチ…。
疲れが滲んでるように見えるけど、大丈夫かな…?
「…頑張れ、ポチ…」
頑張れ、と…ずっと、心の中で叫んでる。
少しの間、静寂がよぎり…柴田くんが豪快に投球する。
ただ…、ほんの少しの甘さ。
それを、ポチは見逃さない…!
「あっ…」
「おぉっ…」
…打った本人も、最初は唖然として。
ただ、次の瞬間…。
「よしっ!しゃあっ…!」
「勝負あり!」
ガッツポーズを見せたポチ。