もう推しとは言えない *番外編更新中
第14章 二人きり
「は?カッコイイこと言ってんだろ、教師らしく。」
「えー、それで?」
「あぁ?お前…」
ふざけてんじゃねぇぞ、と笑いながら私にデコピンするポチ。
くっ…やっぱり可愛い。痛みよりも、可愛いという感想が勝ってしまう…。
ポチとその後も談笑しながら歩いて…教室に着く。
由香里を置いてって申し訳なかったから、私は何もタイミングとかそんなもの、考えずについ…ドアを開けてしまった。
「由香里〜、ごめんね!途中でいなくなっ…」
そこまで言って、ようやくハッとする。
(あ、やばいっ…)
…二人の、き、キスを…邪魔してしまった…!!
気まずい気持ちのままいると、ポチが呆れたように私の頭を小突く。
「バカが…すみませんでした、澤畠先生。」
どことなく、顔を赤くした由香里と澤畠先生。
なんというか…いつも色々と飄々とした感じの澤畠先生がここまで狼狽えてる感じなの、初めて見た。
澤畠先生も、由香里も…お互いから離れて。
澤畠先生は…ゆっくり立ち上がって、ポチに近づく。
(うぅっ…ごめんなさい!!邪魔してしまって…)
いたたまれない気持ちになる。
私、なんてタイミングで入ってしまったんだろうか…。