もう推しとは言えない *番外編更新中
第4章 約束
「そ、それは困るっ…!」
もう、受験生、だし…どこ受けるかなんて、全然決まってないけど、内申点は高いに越したことはない。
「…いつも思うけど、お前さぁ、もう少し俺に媚び売っても良いんじゃねーの?さすがにバカにしすぎ。」
「うぅっ…ごめんって、」
「まぁ、良いけど…来週の土曜日、忘れんなよ。忘れたらお前からの連絡、一生返してやんねーから。」
「忘れないもん!…忘れるわけないでしょ、せっかく、推しと花火見れるんだから。ポチから誘ってもらえたんだから。」
そう、嬉しいのは…推しと花火を見れるから。
それ、しかない…。
それしかないのに。
「当たり前だろ。…俺から誘ったんだ、断らせやしねーよ。今回は、お前への感謝を込めたご褒美でもあるし…ちゃんとエスコート、してやるよ。」
「ポチのくせに…エスコートなんて生意気。でも、ありがと…。」
嬉しい、と思っても、素直には言えない。
…何でだろ。ポチは、私の推しだから…普通に嬉しいはずなのに。
何だか、よく分からないかも…。いや、嬉しいのは嬉しいんだけど、推しだから、って理由だけじゃない気がして。
「まぁ…とりあえず、三年間お疲れ様。また、来週の土曜日…な?」