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もう推しとは言えない *番外編更新中

第7章 溺れかけ



…理性とか、結構ズタボロで、俺は…吉岡にキスもしちゃったし、なんなら今日は…やってはいけない領域にまで達してしまった。
全く拒む様子もなかった吉岡。

…推しにキスされるなんて、嬉しいって思ってるのかもしれないが…今回のは、どう考えても推しだろうが何だろうがアウトだろ。
そりゃあ、俺は教師だ…最後まではしねぇって決めてたし、してないけど。


「…俺は犬じゃねーよ。」


そんな可愛いもんじゃない。
…だから、そんなに油断しきった、無防備な表情で、俺に心を許しきったその感じで…寝るな。バカ。

(はぁ…)

何となく、吉岡の髪をそっと撫でてやると、吉岡は身動ぎして…ガバッと起きた。


「あ…ごめ、ポチ…寝てた?」

「あぁ、ガッツリな…。」

「ごめんっ…!何か、今日はたくさん迷惑かけてごめんね…。」


しょぼんとした様子で俺から離れて謝る吉岡。

…離れんなよ、ここにいろ。
そう…言いたくなる気持ちを抑えて、俺は出来るだけ冷静さを作る。


「…送ってくから。寝てたっつっても、一時間もたってねーよ。安心しろ。」

「うん…ありがと、ポチ…」

「吉岡、今日のことは気にするな。」

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