もう推しとは言えない *番外編更新中
第7章 溺れかけ
なかったことにしてくれ。
…じゃないと、俺がまたお前を求めてしまう。
「うん…ポチにとっては、私はただの生徒だもんね。大丈夫、ちゃんと分かってるよ!だからバカって言わないでね?」
そうじゃねーよ、バカ。
ただの生徒にキスなんかしないし…、イかせてもやらねぇ。
あぁ…クソ、ともどかしくなる。
「…そういうとこがバカなんだよ。」
「ひどい…ポチのバカ、」
「…お前を見てると放っておけなくなんだよ。だから、つい手を差し出したくなる。
…今日みたいなのは、さすがにやりすぎだから…忘れろって話。別に、これからも普通に俺には甘えていい。」
何度も言わせんなよ…。
お前のことは、俺がそばで見守ってやりたい。
…甘えていい、頼っていい。
一人で頑張りすぎるなよ、バカ。
「…ポチのそういう優しいとこ、可愛い。」
「あ…?可愛い?」
「褒めてるの!犬みたいで可愛いって、貶してるわけじゃないんだからね?」
…誰だよ、その”犬みたいで可愛い”男にイかせてって、ねだってきた女は。
そう言ったら多分、顔真っ赤にするんだろうな…。
見てみたい気もするけれど、やめた。
「…ま、帰んぞ。」