もう推しとは言えない *番外編更新中
第8章 自覚した気持ち
_アイスを食べ終えると、ちょうどポチもプリントから顔を上げていて。
結構思い切り目が合った。
「…じゃ、説明すっから。ちゃんと聞いておけよ?」
「うん。」
それからみっちり、ポチによるベクトルとか内積とか、そこら辺の知識とか概要の説明を受けて。
時間はかかったけれど…私が分かるまで、何度もポチはバカにしたりせずに教えてくれた。
「ありがと…すごく分かりやすかった!」
「あぁ、良かったよ。…今日はよく頑張ったな。」
「うん、アイスもあったし。ありがとね、ポチ。」
「…俺もアイス食おっと。お前も食う?」
「うん。」
太るぞ?と少しニヤッとして…ポチはまたリビングを出ていく。
そして、すぐに戻ってきて…今度はアイス二つ、その手にはあった。
バニラ&クッキーと、ストロベリー。
さっきと同じじゃなくて、ストロベリー食べたいなぁ。
「…私、ストロベリーでいい?」
「あぁ、そのつもりで持ってきた。」
「やった。あ、でも一口食べる?」
「いや…良い。そろそろ夕飯の時間だからな、アイスで腹一杯にはしたくない。」
「あ、確かに…」
お母さん、今日はさすがに仕事もないから家にいるし…。